重要文化財をアーカイブする方法として、まずは写真が挙げられますが、近年では3Dスキャンを用いて立体データ化が急速に進んでいるそうです。
そしてそこにVR(バーチャル・リアリティ)のテクノロジーが組み合わさることで、保存はもちろん修復時の再現、さらに観光資源としての活用への期待がより高まっています。
そうしたなか、桐島ローランド率いるフォトグラメトリースタジオ・Avatta(アバッタ)が、山口・門司港に建つ「旧門司税関」のVRコンテンツ化に取り組みました。
まず旧門司税関の外観をドローンで撮影し、内部をレーザースキャンと「フォトグラメトリー」と言われる、大量のデジタル写真から3Dオブジェクトを作成する手法でデジタルアーカイヴ化し、VRコンテンツとして発表するとのこと。
Avatta(アバッタ)は、本来あくまでスキャニングのスタジオであって、制作会社ではないそうですが、今回自らVRコンテンツ制作に挑んでいます。
それは、誰も見たことのない映像を提示したいという桐島ローランドのフォトグラファーとしての矜持であり、チームで得たノウハウを別のフィールドでも活かせるのではないかという可能性への投資です。
ただ、いくら技術があったとしても、いざそれを形にするとなるとやはり相当な労力を要します。
今回のプロジェクトはコンピューターメーカーとチームを組んで、企画段階から連携し、制作スタッフへの幅広いバックアップを実現しています。
文化遺産のVR化はまだビジネスとしては手探り状態だそうです。
一般人には見学が難しい建築物が数多くあるので、そうしたものをレーザースキャンして、フォトグラメタリーと組み合わせることで、ヴァーチャルに体験できたら有り難いことですし、地方創生にも繋がるかもしれませんね。