南米大陸の南にある諸島「ティエラ・デル・フエゴ」。
日本語に訳すと「火の土地」を意味します。
大航海時代にマゼランが発見したことで知られている島々です。
先住民があちこちで焚き火をしているのを、地面から火が噴き出しているとマゼランが勘違いしたことから、その名がつけられたのだといいます。
国としてはアルゼンチンに属していて、南極大陸とは1,000kmほどしか離れておらず、南極への玄関口となっています。
つまり、人間が住む地域としてはいわば「世界の果て」とも言える場所です。
事実、フエゴ島の都市ウスアイアには「世界の果て博物館」があり、「地球の果て巡り遊覧船」によるクルーズも楽しめるとのこと。
島を走る列車につけられた名前も「世界の果て号」とのことで、とにかく「世界の果て」推しです。
そんな「世界の果て」を撮影した写真集「El fin del mundo」が、ベルギー出身の写真家によって公開されています。
http://www.brittvangenechten.be/index.php/el-fin-del-mundo/
古びた家が立ち並び、道路には雪が積もっています。
見渡す限り荒地が広がる場所もあれば、断崖絶壁にペンギンの大勢群がる場所もあります。
人物はほとんど写り込んでいないのですが、写真には人の気配がかすかに漂っています。
「世界の果て」の風景はどこか虚しく、孤独を感じさせますが、しかし、そこにはたしかに人間の営みがあったのです。