フォトグラファーでエンジニアのBhautik Joshiさんがディープニューラルネット
ワークを使い、SF映画「2001年宇宙の旅」をピカソ風に変換してしまいました。
この実験に使用されたのは「style-transfer」というプログラム。
これは「A Neural Algorithm of Artistic Style」と呼ばれるアルゴリズムをディー
プラーニングフレームワークのCaffeに実装したものです。
「A Neural Algorithm of Artistic Style」自体は2015年8月に独テュービンゲン大
学の研究チームが論文で発表し、画像変換ブームを巻き起こした「一枚の画像を、学
習させた別の画像のスタイルに変換する」アルゴリズムです。
以前このブログでも紹介しました。
もし本編全てがカラフルなピカソ調だったとしたら、ずっとスターゲートの中にいる
気分を味わえそうですね。
精度が増して、よりピカソらしい大胆な抽象化が可能になる未来が楽しみになりま
す。
ディープラーニングを利用した画像変換は一見手軽に思えますが、そうでもないんで
す。
元画像とスタイル画像の組み合わせやパラメータ調整によって完成度は大きく変化し
ます。
映画を見た人ならば、「2001年宇宙の旅」のシーンだとわかるのに、まるで手描きア
ニメのようにも感じられる、このバランスでピカソ風キューブリック動画が完成した
のは、Bhautik Joshiさんの発想力とセンス、そしてもちろん二人の偉大な巨匠の創
作物があったからこそです。
ディープラーニングはあくまで機械学習技術のブレークスルーであり、AIが勝手にゼ
ロから創作を行っているわけではないそうです。
データの特徴を学習する便利なツールを、何に使うのかを決めるのはあくまで人間だ
ということなんですね。