低コストで効率よく光を産み出せるLED。
そのLEDの恩恵にあずかり、「植物工場」がブームになりました。
今から6年程前、「第三次植物工場ブーム」が始まったと言われています。
効率良く野菜生産ができる上、栄養価も高いと注目され、大規模なLED照明採用の植
物工場が次々と誕生しました。
太陽光の代わりに、LEDの光を当てて植物を育てる「植物工場」。
種まきから収穫までの生産工程が、工場的に管理されます。
すると、栄養成分や形・大きさ・重さなど、野菜の品質・規格を一定にすることが可
能なんだそうです。
土壌や空気を介した雑菌汚染が少ないため、無理のない無農薬栽培が可能で、傷みや
品質低下が軽減されるので、「収穫後の日持ちが良い」「水で洗わずに食べられる」
といった付加価値がつきます。
しかし現在、企業のうち60~70%が高コストなどによる赤字であり、撤退や倒産が相
次いでいるというのです。
いいこと尽くしなのに、なぜ?と思うのですが、植物はやっぱり生き物なので、工業
製品のように、すべてを施設や設備任せにはできず、日々観察し、微調整を行い、対
応する必要があります。
よって、植物の基礎的および体系的な知識が不足しているのに、ビジネス的にブーム
に乗って工場をつくってしまったということが大きな原因のようです。
ただ、LED照明をつかった栽培行為自体は、宇宙産業からも注目されているようで
す。
2015年には国際宇宙ステーションに暮らす宇宙飛行士たちもLED照明をつかって植物
を栽培し、食べていたというのだから、今後はそういった分野での発展も期待できそ
うですね。