社カメ

「社カメ」とは社内カメラマンの略かと思われがちですが、意味合いは同じですが、会社員カメラマンの略です。つまりはフリーカメラマンとは逆の立場の専属カメラマンというとこですね。
出版社によってもカメラマンのスタイルは様々でしょうが、先日こんなお話を聞きました。

出版社では書籍、週刊誌や雑誌、ガイド本、はたまたまさに写真集を刊行するなど、その出版社によって様々です。厳しい出版業界の昨今では、バジェットも厳しく、例えばガイド本のような予算の厳しい企画には外からのフリーカメラマンを起用すると予算的にオーバーになるため、取材には社カメさんが一緒に随行するとのことです。
時には雑誌、時には取材にも任用される「社カメ」とは、かなりの幅の広い、つまりはキャパシティのある人材がとわれるようで、その臨機応変さが素晴らしいとのこと。

多くの機材を持ち歩く「社カメ」、見た目にもそして実際にも体力のある男性が、女性誌や女性対象のガイドブックなどの撮影には、ほんのりと、そしてふあっとした写真を撮るそうです。
なんとも女子が好むような視点、ポイントをうまくつかむのが得意とのこと。

取材+撮影を社カメさんが一人でこなすこともあるようで、その取材が女子を対象のときにも、きっちり「女子好み」のお店、小物、対象を探し当て、撮影するとのことです。

なるほど!購読者層にあった撮影方法、ポイントを汲んで実践してからこそ「社カメ」に成りえるのですね。

社カメとフリーランス

前回「社カメ」についてお話ししたので、社カメつまり会社員カメラマンとフリーランスのカメラマンの違いをみてみましょう。
これは写真のカメラマンのみならず、ビデオカメラマンや音声さん、映像やその機材関係の職についても同様のことがいえます。

まず「社カメ」と「フリーランス」の大きな違いといえば収入です。
会社員である社カメは、仕事に関係なく月々給料がもらえるのに対して、フリーランスはもちろん仕事がなければ収入もありません。ただ、反対に社カメはかなりの仕事量がある月も基本は給料制なので、フリーランスのように仕事量が多いときに収入が多いということがありません。

そしてもうひとつ大きな違いは機材です。
社カメは機材投資をする必要がありません。撮影に必要な機材は既に会社で揃っていたり、新たに新しいモデルや新しい機材を取り入れる際も、その必要性を提言するだけで、会社が取り揃えてくれます。一方、フリーランスの場合は、全ての機材は自分で購入しなければなりません。
すぐに消費するものではないので、投資することによって仕事が続けば、利益が生じます。
ただ、日進月歩のデジタル社会においては写真機材、照明機材等の更新は常に必要になり、フリーランスの場合その分の投資費用は初期投資だけでは済みません。

仕事を続けていくことは、仕事を獲得する営業であるとか、仕事を執行する連続ですが、ここでも大きく違いがでてきます。社カメは営業することはありませんが、フリーランスでは、自分が動かなければ仕事はやってきません。ただここにも裏表があって、社カメは来る仕事を拒むことはできませんが、フリーランスは仕事を選べます。

多くの要素が交錯する社カメとフリーランス。
あなたがカメラマンだったらどちらを選びますか?
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