写真の引き算

写真学校などのテーマごとの撮影課題の評論会、批評会のようなもので、よく「説明的だ」というフレーズを耳にします。これはネガティブなコメントなんですね。
カタログ写真などは、文章で補えない分を写真で紹介するという役割のため、もちろん説明的で見てそのままわかるものである必要がありますが、アート作品やファッション、また広告写真などでもインパクトや面白みを持って人の目を引きつける必要があるため、「説明的」であってはNGになる場合があります。
つまり「説明的」な写真は、一目瞭然であっても面白みに欠けるという点で評価が薄い写真になってしまいます。

商品カタログや物撮りといった表現写真以外で、説明的な写真でないようにするのはどうしたらいいのでしょう?
それは撮影者が見てひかれた部分を、すべて全体写真としてフレーミングするのではなく、アングルや邪魔なものを排して撮影するのがポイントです。
つまりそれが写真の引き算です。どこを削除して、どのようにフレーミングするかがポイントです。
同じ被写体でも、人によって全く違う写真になるというのは、この部分に鍵があるんですね。
そして人それぞれの感性、見方によっていかようにも変わるのが写真の醍醐味でもあるかもしれません。

撮影照明のライトグラフィカ