コラージュとは「貼り付ける」を意味し、印刷された写真を二つ以上切り抜き張り合わせた組み合わせをフォトコラージュと言います。
伝統的な形式に反抗して1910年代にヨーロッパを中心に起こった芸術思想、芸術運動のダダイズムを掲げたダダイストが発展させて流行った技法で、異質なイメージは視覚的に効果があり、政治宣伝や社会風刺に効果のあるものでした。
組み合わせの自由、既存するものから放たれる斬新さは、現在CGが存在している私たちの環境とは大きく異なるでしょう。
1950年の日本で「コラージュ」技法に出会いのちに才能を開花させたコラージュ作家がいます。
現在東京都庭園美術館で開催されている個展「沈黙の奇蹟 フォトコラージュ」の岡上淑子(おかのうえ としこ)さんです。
もともと洋裁を学んでいたという岡上さんが1950年に当時御茶ノ水にあった文化学院デザイン科に進学しコラージュを知り、1956年にかけておよそ7年間フォトコラージュ作品を生み出しました。その才能を見出され作品が世に出て現在では国内外でコレクションされ、今回の東京における公立美術館初の個展では海外で最もコレクション数を有するヒューストン美術館から12点のコラージュ作品も展示されています。
60年以上前の作品とは思えないほどファッション性もあり、シニカルかつ優美なフォトコラージュ作品を一堂にして観ることができる絶好の機会です。
フォトコラージュ、写真学校によっては授業でもあるんですよね。
簡単そうで、いやいやそれがそれが!
まさに本来のセンスが問われるような芸術分野です。
フォトコラージュの展覧会を観て触発されつつ試してみるいい機会でもあります。
雑誌数冊とハサミがあればフォトコラージュを楽しめます。
会期は4月7日まで。お子さんと一緒に鑑賞して、そのあと一緒にフォトコラージュをするという楽しみ方もありますね。