前回「パン」について触れた際に、逆チルト撮影で表現するミニチュア模型のような写真が出てきました。今日はこのジオラマ写真についてお話ししましょう。
ミニチュア模型のようなジオラマ写真と言えば、すぐに思いつくのが2006年に写真集「small planet」で木村伊兵衛写真賞を受賞した本城直季氏でしょうか。
見慣れた風景が本城氏の写真では一目見ただけで引きつけられるような、不思議な感覚とともにワクワクした面白さで見入ってしまいます。
さて、このようなジオラマ写真。どうやったら撮れるんだろうって思ったことありませんか?
前回ちょっと触れたように、大型カメラのいわゆる「あおり」つまり「ティルト」を利用して前方から後方すべてにピントを合わせるのと反対に、被写界深度を浅くしてその効果によって実際の風景をミニチュア模型のように見せるのです。
さて、普通の生活では大型カメラを使うことはそうありませんね。つまり簡単には撮影できる写真ではありません。
ところがそれも過去形になりつつあります。みなさんすでに体験されているかもしれませんが、デジタルカメラやスマートフォンでこのジオラマ写真モードが出てきましたね。また普通にデジタルカメラで撮影した後に、ジオラマ写真風に編集できるソフトがあり、普通にとった風景写真やパノラマ写真が手軽にジオラマ写真を楽しめるようになったのです。
大型カメラならではのことが身近になるとマニュアル派の筆者にするとちょっと残念な気もしますが、それでも写真を楽しめるという利点は大きいですね。デジタル進化を享受したいものです。撮影照明の決定版