日の出後の約1時間と、日没前の約1時間、1日に二度、太陽がぼんやりとした黄金の
色彩を風景に投げかけます。
その時間帯は「マジックアワー」(あるいは「ゴールデンアワー」)と呼ばれていま
す。
柔らかな光を浴びて、まるで魔法のように、世界がいつもより美しく見えるのです。
しかし時折、気象条件がよく、空が澄んでいると、フォトグラファーは、マジックア
ワーをも超える「ブルーアワー」に遭遇するという幸運に恵まれます。
日の出直前か、日没直後のほんの30分ほどのわずかな時間、世界が溢れるばかりの、
現実離れした美しい青い陰影で満たされます。
フランスのフォトグラファー、ロマン・ジャケ・ラグレズがカメラに写すのは、香港
が魔法にかかるその30分間です。
香港のブルーアワーは、街中が柔らかく美しい青い光で満たされ、街明かりの暖色と
美しいコントラストがつくりあげられます。
滅多に見られないうえに、現れる時間が短いので、撮影するのは難しいのですが、そ
の分見られたときの満足感も大きいものです。
ロマン・ジャケ・ラグレズは、現在取り組んでいる作品シリーズとその写真集「The
Blue Moment」で、この光の効果を最大限に引き出しています。
http://www.rjl-art.com/
青色が魔法のように街を包みこむ様子を見事にとらえていて、とても美しい写真で
す。
これまで数え切れないほどの写真で被写体となってきた香港ですが、また新しい表情
を見ることが出来ました。