カナダのフォトグラファー、クリス・フォーシスは、多くの人にとってはただの移動手段のひとつでしかない「モントリオールの地下鉄の駅」を、日々撮り続けています。
カラフルだけども飾り気のない彼の写真は、地下鉄の駅を足早に通りすぎる人々が気付くことのない、駅の知られざる美しさを映し出しています。
被写体を見つけるべく、フォーシスは彼の目を奪う何かに出合うまで、その路線に乗り続けるそうです。
その何かを見つけるとすぐに、ベストアングルを求めてあらゆる場所をくまなく探りだします。
フォーシスはまず自分のスマホを使って構図を考えるそうです。
そして頭のなかで構図を描くとすぐに、キヤノン70Dを三脚に取り付け、誰もいなくなるまで待って写真を撮ります。
人のいない景色を撮るには大変な忍耐が必要だそうです。
また、そこには作品のために十分な自然な明かりはないので、長時間露光にして。
もし彼が電車を撮るのであれば露光は一般的にf/8、100ISOで1秒前後だとのことです。
彼は自分の作品をInstagramにアップし、ハッシュタグ(mtlmetroproject)を使って写真を整理しています。
すると驚いたことに、ほかの人たちも自分で撮った地下鉄写真を同じハッシュタグで掲載し始めたそうです。
いまのところ、全部でほぼ1000枚の写真が投稿され、一大ムーブメントとなっています。
フォーシスもこの動きを楽しんでいるようです。
このプロジェクトを始めたのは1年前、フォーシスは約40の駅を撮影しています。
すでに半分以上を撮ったそうですが、全駅を制覇してもこのプロジェクトをやめる予定はないそうで、「地下鉄探検でインスピレーションと楽しみを見つけられる限り、撮影をやめる理由はない」と、語っています。