今年度で終了する「写真新世紀」の選出公開審査会が行われ、賀来庭辰(かく なおたつ)さんが、作品「THE LAKE」でグランプリを受賞されました。
なんと動画作品。
審査員の清水穣さんのコメントにもあるように、30年前の1991年にスタートした新人写真家の発掘、育成、支援を目的とした文化支援プロジェクトのコンテスト最後のグランプリ作品が動画作品ということはとても象徴的な表れなのではないでしょうか。
写真新世紀のHPにこのプロフェクト、コンテストに関して以下のような記述があります、「テクノロジーの進化によって、カメラの領域は、フィルムからデジタル、静止画から動画へと拡がっています。『写真新世紀』は、静止画と動画が互いの境界線を超え、写真表現の可能性を拡げると考えます」(抜粋)と。
まさに最後のグランプリにてその写真表現の可能性が拡がっていることを示した形となります。
今回の公募には過去最多の2,191名(組)の応募が国内外からあり、グランプリを受賞した賀来さんには奨励金として100万円および副賞としてキャノンのミラーレスカメラEOS R5、交換レンズRF24-70mm F2.8 L IS USMが贈呈され、来年度の新作個展開催の権利が授与されました。賀来さんは2017年の写真新世紀にて佳作を受賞して今回のグランプリという経緯もあり、来年の個展にも期待が集まります。
今回のグランプリ受賞作品「THE LAKE」はHPにて観ることができます。白黒の25分52秒の作品はまるで短編映画を観ているようです。
来年には東京都写真美術館とキャノンギャラリーSにて開催予定の30周年回顧展は歴代受賞者の作品の中から一般の投票で決められた作品が展示される予定です。写真新世紀のHPにて2022年4月2日まで投票できます。