最近インスタグラム内で気になる写真を立て続けに目にしました。
それは、現在ロンドンのギャラリーで個展を開催中のフランス人写真家のカリーヌ・ラヴェル(Karine Lavel)のプールの撮影写真です。
揺らめく水面下を泳ぐ人物が、その揺らめきになぞって体の線が婉曲し、光とともに幻想的かつ絵画的な美しさをもたらす写真。
ラヴェル氏は幾つものプールを被写体としたシリーズを制作していますが、それは単にプールをテーマにしたものではなく、作家曰く「イメージの持つ曖昧な性質と潜在意識とのつながりを強調している」といったように、実際私たちが目にしているものの形と景色、それが何かのきっかけ、ものを介すことによりたやすく形を変えていく視覚の面白さを提示しているようにも見えます。
水面とその下を泳ぐゆがんだ曲線、はじめてこのシリーズの写真を目にした時は、あれ、ホックニーの絵かな?と思ったほど写真なのか絵画なのかわからないマット感も心地よく、夏に眺めていたい写真の一つです。
デヴィッド・ホックニーもゆらゆら光が反射している下で泳ぐプールの絵が多くありますよね。
見ているだけで、ふわあとそちらの世界に吸い込まれていくような浮遊感と次元を失う感覚があります。
現在はニューヨーク在住のラヴェル氏。ロンドンのギャラリーでプールシリーズを中心に写真展を、そしてアメリカ、ノースキャロライナのギャラリーでは「Heterotopia」という鏡やガラスを使った庭園の鮮やかなシリーズの写真展示が開催されています。
日本でも彼女の写真展が見れる日が来るといいのですが!