「後期高齢写」

天才アラーキーの個展タイトルセンスにはいつも脱帽です。
現在タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて開催中の荒木経惟氏の個展は5月25日に77歳を迎え、その日から開催の本展は「写狂老人A 17.5.25で77齢 後期高齢写」と名付けられています。
前立腺癌、右目の視力喪失など、年齢を重ねることによって起こる壁をものともせず、本展をはじめ、6月22日から始まるシャネル・ネクサス・ホールでの「東京慕情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」、7月8日から始まる東京オペラシティ アートギャラリーでの「写狂老人A」、そしてすでに今から待ち遠しい7月25日から東京都写真美術館ではじまる「センチメンタルな旅、1971- 2017-」と立て続けにまるでアラーキーゴールデンタイムとでも言ってしまいたいほど、ものすごい精力的な活動です。
この連続的な個展を開催するだけでもかっこいいアラーキーが曰く
今は年寄りの時代なんだからさ、今どき、「年寄りに見られたくなく」なんて加齢に抵抗するヤツダメなワケ。今こそ “老いていく”というその変化を、自信を持って発表していくべきなんだよ。年を取らなきゃわからないことってたくさんあるし、人間としてキャリアを積んでんだから、若いヤツより老人のほうが魅力があって当然(笑)。
という素晴らしいアーティストステイトメントを私たちに示してくれています。
アラーキーだからこそ言えるこのフレーズも、彼が言ってくれるからこそ、なんだか歳を重ねていくのが誇らしくなってきます。
さて、この精力的なアラーキーゴールデンタイムの皮切りには、それをしめすかのように展示作品の数も圧倒的です。タイトルでもある新作シリーズからカラー作品約116点、モノクローム作品約720点、合計836点の作品を観ることができます。

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