ブラインドデート

志賀理江子さんといえば、写真集「Lilly」と「CANARY」で木村伊兵衛写真賞を受賞、2008年なのでもう9年前になるんですね。
独特の写真表現と視点を持つ作家ですが、今回の写真展では2009年にバンコクの恋人たちを撮影したシリーズ「ブラインドデート」をはじめとして「弔い」「人間の始まり」「大きな資本」「死」といった考察と物語で構成され、プリント写真だけでなく、会場にスライドプロジェクターを設置してのインスタレーションもともに展示されるそうです。
関連プログラムも充実していて、作家を囲んでのオープニングパーティやアーティストトークから写真評論家の竹内万里子さんとの対談や漫画家のいがらしみきおさんとの対談、そして面白そうなのは「石拾い」というワークショップがあります。この展覧会のなかのテーマのひとつである「弔い」についての話を聞いてから川へ石を拾いに行き、美術館に戻ってきてから、拾ってきた石について話し合う、石を中心に展開されるワークショップ。哲学的なワークショップですね。
これらの関連プログラムは美術館のHPにてアンケートを実施し、その回答がプログラムに反映されたそうです。さらにこのアンケートを志賀さんが読んで、これからの新作を制作する可能性もあるとのことです。観覧者を含めた面白い試みですよね。
開催は香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて6月10日から9月3日まで。
東京からはちょっと距離がありますが、注目の写真展です。

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