『500年前の自画像=現代の自撮り!?』

「自画像」は14世紀に鏡が発明されたことで生まれたそうです。
現代人は自画像というより、スマホを使って行う「自撮り」をします。
時代は違いますがどちらも自身を対象に写す行為です。
ある研究論文によると、2つは同じモチヴェーションで行なわれているということなんです。

1433年、新しい絵画のジャンル「自画像」を生み出したのは、「受胎告知」などの作品で有名な画家ヤン・ファン・エイクでした。

古い時代の鏡は金属を使ったものでしたが、14世紀の技術者たちは、スズと水銀の合金でガラスをコーティングし、世界で初めて高品質の鏡をつくり出したそうです。
その後ルネッサンス時代が訪れると、自画像は画家の間でブームになりました。

19~20世紀になると、ゴッホ等に代表されるように、シュルレアリスムで抽象的な自画像を描いて激しい感情を表現するようになりました。
そしてこうした作品は、ある意味で現在流行している「自撮り」の先駆けだったという、ドイツの認知科学者の研究があるのです。
自撮りは自画像の一部として技術的進歩から生まれたものであり、「自分が望むような姿に見られたい」という昔から変わることのない人間の欲求から生まれた行動であるという論文を発表されています。
初期の自画像では、上流社会の一員でなければ身につけられなかった毛皮の襟など、当時の富の象徴とされるようなものが描かれています。

そのように昔から自画像は、自身の複雑な感情をひとつの画像にあらわすために「盛られている」のだそうです。
スマホ上で写真を修正するように、500年前にルネッサンスの画家たちも鏡を覗き込み、そこに映っている以上のものを描こうとしたんですね。

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