ロベール・ドアノー展

写真家ロベール・ドアノーと聞いてピンとこなくても、白黒写真で人が行き交うパリの街でひと組の男女がキスをしている一枚の写真を見たら、「ああ!」とお分かりになるかもしれません。
その写真は1950年「パリ市庁舎前のキス」という邦題がついたドアノーの代表作の一枚です。
「イメージの釣り人」と評されるドアノーは、1912年生まれ1944年に亡くなったフランスの国民的写真家で、街の中でのちょっとした瞬間を絶妙に捉えたストリートフォトから、パリに集まる芸術家を撮影したポートレートが有名です。
ポートレートにはイヴ・サン=ローランやピカソ、アルベルト・ジャコメッティなど華やかな、まさに「芸術の都」であったパリに同時代に生きたアーティストをドアノーが鋭く捉えています。
私たちがイメージの中で捉えているイヴ・サン=ローランがいれば、お茶目な”トリック”をしたピカソがいたり、美しいモノクロのドアノーの世界に魅せられます。
それらのポートレート、「パリ市庁舎前のキス」といった代表作、そして未発表作品を含めて約140点を一挙に見ることができるドアノー展。
会期は来年1月17日まで、ベルナール・ビュッフェ美術館にて開催されています。
ベルナール・ビュッフェ美術館?
そう、静岡県、IZU PHOTO MUSEUMもあるクレマチスの丘のベルナール・ビュッフェ美術館です。
冬休みにちょっと足をのばしてもいいですね、ポートレートの名手である、ドアノーが撮影したベルナール・ビュッフェ自身のポートレートも美術館共々鑑賞したいところです。

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