リニューアルオープン 東京都写真美術館

約2年間という長い時間をかけて改修を終えた東京都美術館が今月リニューアルオープンを迎えました。
リニューアルオープンと総合開館20周年記念としての記念すべきはじめの展覧会は「杉本博司ロスト・ヒューマン」展が開催されています。
人類と文明の終焉というテーマの「ロスト・ヒューマン」というタイトルのこの展覧会は、2Fと3Fの2フロアのスペースを贅沢に使った展示で、「廃墟劇場」「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」「仏の海」の3部構成になっています。
杉本博司氏といえば、大型カメラで撮影した「劇場」シリーズで一気にその名を写真界、美術界のみならず、一般社会にも認知された印象がありますが、今回興味深いのはその「劇場」シリーズの新シリーズとして発表される「廃墟劇場」です。
その名の通り、廃墟化したアメリカ各地の劇場にて撮影されたもので、「劇場」シリーズと違うところは、作家自らがスクリーンを貼り直して、杉本氏が選んだ映画を放映し、もちろん観客はいないという点です。選ばれた映画は劇場によってそれぞれ、でもロスト・ヒューマンにちなんだ世界の終わりをテーマにした映画を放映しながらの撮影ということです。
長時間露光によって浮かび上がる廃墟化した劇場と真っ白なスクリーンのコントラストが、新シリーズとして話題になりそうです。
ちなみにこの「廃墟劇場」、世界初公開です。
会期は11月13日まで。
会期中の第二、第四金曜日には展覧会担当学芸員さんによる展示解説もあります。

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