コンストラクディッド・フォトグラフィ

あるままを撮影する「ストレート・フォトグラフィ」と反対の写真を指す「コンストラクディッド・フォトグラフィ」とはあらかじめ出来上がりの映像、写真を想定し、準備をし撮影する写真のことを言います。
英語の「コンストラクト」の通り、どういう風に演出して、組み立てて、構築されて撮影された写真です。
現在CHANEL NEXUS HALLで開催されている写真展「Retrace our Steps ある日人々が消えた街」で展示されている写真もコンストラクディッド・フォトグラフィの手法を用いて撮影されたものです。
ギョーム・ブレッションさんとカルロス・アイエスタさんのユニット活動による「No Go Zone」というプロジェクトは東日本大震災後に幾度となく現地に足を運び撮影されたものですが、多くのドキュメンタリー写真と違うところは、そのものを撮影するのではなく、そこに演出を加えることによって、より現実味を増して伝える「コンストラクディッド・フォトグラフィ」という表現方法を経ていることです。
電気が途絶えてしまった暗闇の夜間、強いフラッシュを当てて撮影した作品シリーズ「光影」や、透明シートを用いることによって見えないものを「可視化」した試みのシリーズ「悪夢」など、ドキュメンタリー以上に見るものに訴える迫力が加わります。
ジャッジするのではなく記録すること、という彼らの作品は、コンストラクディッド・フォトグラフィを効果的に用いることによって「報道」と「アート」どちらも兼ね備えています。
彼らのサイトでのメイキング映像での撮影風景、インタビューからも一朝一夕ではない緻密な計画と準備が伺えます。
すでにヨーロッパでは写真コンテストの受賞、フェスティバル参加、メディアなどにも多く取り上げられています。この機会に是非、会期は7月24日までです。

撮影機材・LED照明の専門店