先日アエラの表紙撮影について、撮影者が坂田栄一郎さんから蜷川実花さんにバトンタッチという話題をお話ししました。
創刊1988年のアエラでは毎回表紙の被写体は話題、有名、著名の人物です。
蜷川さんも被写体としてアエラの表紙を飾った際には、坂田栄一郎に撮ってもらって嬉しいという感想をもったと語ったり、また以前にはキャスターの安藤裕子さんは撮影前日には念入りにパックをしたと冗談交じりに話されるように、アエラの表紙として撮影されることは著名人にとってさえもステイタスなんですね。
言わずもがな、ポートレート撮影は風景写真や建築、オブジェ撮影と違い「相手」が存在する撮影。
蜷川さんはポートレート撮影をするとき、「撮らせてもらう」という大前提で撮影するそうです。
よくポートレートには、誰を撮影してもそこには撮影者が写ってくる、という言い方をします。
つまり、被写体と撮影者の関係性が撮影された人を通して表に出てくる、写りこんでくるという意味でいわれます。なのでポートレートをみて、それが有名な媒体であっても、グラビアであってもどんな媒体でも、あ、いいなと感じたポートレートではまず撮影者が気になります。
被写体と撮影者の関係が表に出てくるポートレートって、不思議な相乗効果から生まれる一枚です。そう感じるとポートレート撮影の面白さ、そしてポートレートの魅力が一層増してきます。
難しいポートレート撮影、まずは撮影経験の数がモノを言うとも言いますが、上達する一つのステップとして被写体側としてたくさん撮影されるというのもいいですね。撮影される立場だからこそ撮影する立場もわかることもあるからです。
魅惑のポートレート撮影、いつの時代も写真撮影の華ですね。