世界を驚かせたザハ・ハディド氏

4月1日の訃報、ザハ・ハディド氏の死去。
日付けによってネット上ではエイプリルフールかと思った、などと驚きの声が寄せられているほど、急な訃報はショッキングで世界中から悼む声が報じられました。
現在の代表的な建築家の一人として、いくら眺めていても飽きない美しい曲線は独特で、それゆえに「アンビルド(建設できない)の女王」とも言われるほど前衛的なデザインでも注目されていました。日本で彼女の名前が報道されたのはなんといっても新国立競技場の最初のデザインを考案し、その後却下されたニュースで一気に知れ渡ったかもしれません。
映画の中で見た近未来の曲線のようなデザインは、世界各地の彼女の建築物の写真を見るだけでも見入ってしまいます。流れるような線、流麗線とでもいうのでしょうか、建物の形作る線や、内部の柔らかなカーブなど、ものすごく人工的なのに、自然界の鉱物かなにかでできるような見たことがあるような形で、不思議なのに安心感があるようなデザインとでもいったらいいでしょうか。
アンヂルドの女王とは言われたものの、世界中に彼女の建築物が存在しています。建築関係、建築ファンならずとも一人の建築家の建造物を観て廻る旅なんて憧れますね。
筆者はザハ・ハディド氏の建築物では唯一、イタリアローマにある21世紀美術館を訪れたことがあります。閑静なアパートメントが並ぶ住宅街に突如現れる近未来的な建物。一見浮いているようで、それでも美術館内で通行する(遊んでいる)子供達を見ていると、この地域に馴染んでいるのだなあと感じられました。内部の面白さもまた然り。
もっと彼女のデザインをこれからも見てみたかったものです。
ご冥福をお祈りします。

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