『出来事と写真』

東日本大震災で実家と母親を亡くした、岩手県陸前高田市出身の写真家畠山直哉さんと、作家の大竹昭子さんとの対談集『出来事と写真』が刊行されました。
2011年から4年にわたって重ねてきた対談が本となり、その対談、語り合いをその場で参加して聞けなかった人にも活字としてじっくり読めそうです。
畠山直哉さんといえば、石灰石鉱山、都市風景など、自然と人工の環境を取り続けている世界的に有名な写真家。鉱山の発破の瞬間を撮影した「ブラスト」は写真家と作品の名前が結びつく印象的なプロジェクトの一つでしょう。
震災後は故郷に頻繁に戻り、その風景を撮影するようになり、震災前に撮っていたスナップ写真を中心に編んだ『気仙沼』と故郷の変貌したその風景を取り続けた『陸前高田 2011-2014』の2冊が刊行されています。
この「大きな出来事」を境に、撮り方は以前と変わっていないが写真を選ぶときに美学的判断だけではなくなったかもしれない。と語っています。
写真を表現の手段とする写真家畠山直哉さんと、作家であり批評家でもある聴き手大竹昭子さんの哲学的考察でもあり、美術論でもあり、人生論でもある一冊、読み応えがありそうです。
この刊行に合わせて、『出来事と写真』以降に、新たな対談としてトークイベントが4月16にち、サラヴァ東京にて開催されます。

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