ヒラ・ベッヒャー

10月10日に亡くなったヒラ・ベッヒャー氏。
夫のベルント・ベッヒャー氏とともにベッヒャー夫妻、ベッヒャー派として知られるヒラ・ベッヒャー氏。1959年頃から、ドイツの消えつつある工業建築物の撮影を始め、1980年代以降には写真家としてよりも、コンセプチュアル・アートのアーティストとして高い評価を受けます。
1990年にはヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ代表として金獅子賞を受賞、そして2004年にはハッセルブラッド国際写真賞を受賞しています。
写真を現代アートのメディアとして確立した功績が高く評価された彼らの活動は、給水塔、冷却等、溶鉱炉、工場地帯の風景などを大判の5×7で撮影されています。
2004年のハッセルブラッド国際写真賞の受賞理由は以下の通りです。
「ベルント及びヒラは現在、最も多くの影響を与えた芸術家である。40年以上、彼らは歴史的な過去の産業を記録し続けて来た。格子状に展示されることもある彼らの写真はそのあまりにも機能的な構造によって、彼らを写真家というよりもコンセプチャル・アーティストとみなされた。彼らが導き出した技法は「ベッヒャー派」として多くの人々に影響を与え、次世代の優秀なドキュメンタリー写真家、アート写真家を生み出した」
学校やコースでの写真授業の中に一度は取り上げられる、ベルント・ベッヒャー、ヒラ・ベッヒャー。機械的な被写体、ミニマムなものを撮るのが好きな人には給水塔のシリーズはこたえられないかもしれません。彼らの作品、功績はこれからの若い学生たちにも影響し続けることでしょう。

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