海外のフォトフェスティバルや写真集の展示会などに行くと、日本人写真家の作品、写真集をかなり見かけます。人気があるだけではなくリスペクトさえも感じられます。
個性的な若手写真家から、各国で個展を開催する写真家まで様々ですが、一様に支持されているひとりに森山大道氏がいます。
知人のフォトグラファーの間でも、撮影スタイルは違えどファンが多く、写真集のコレクターにも森山氏の写真集を集め、探している人が多いのが印象的です。
さらに森山氏よりも少し先の世代で、あまり日本で走られていない写真家が海外で取り上げられているのには驚きます。
よく言われる森山氏の作品は、ギラリとするような鋭さ、コントラストの高さとザラッとした荒さ、新宿界隈を撮影し続けるスタイルは、白黒フィルムを通してだからこそ森山ワールドが突出されるのでしょう。日本人にならば「昭和」の空気を感じるかもしれませんが、外国人にはその日本人が感じる昭和感がそのまま日本らしさに感じられているようです。
森山氏の作品とは離れますが例えば、日本の電信柱、電線がはり巡っている写真を見ると、外国人は同様に反応します。写真のみならず、映画、アニメ、などから日本らしさをそんなところに感じているようです。
ヨーロッパではほとんどの国では電線は地下に配置され、空を見上げると日本のように電線にあたることはありません。日本人は疎ましく思うものも、海外の目で見ると「日本らしい」と映るようです。
風景写真やスナップ写真など、余計なものを排除してフレーミングしようとしますが、街の風景そのまま取り込み、電線や電柱、などといった日常のものが入り込むからこそ個性を持つこともあります。
日本に生活していると日本らしさに気づきづらくなります、外から見る日本らしさも見方によってそれぞれなので面白いですよね。
撮影機材の専門店ライトグラフィカ