箱馬

日常生活ではあまり耳にすることのない言葉、箱馬(はこうま)。
写真撮影の際に被写体をのせるための台という意味もあり、ポートレートやインタビュー撮影の際に背景と人物の高さを合わせるために高さを調整する台という意味もあります。

前者なら想像するのも容易ですが、後者の場合、どのように箱馬を使うのか例を使ってお話ししましょう。
インタビュー撮影をホテルやレストランのテラスを使って行うとします。
テラスからは街並が見渡せて街のシンボル的な建物を見てとれます。ここで座りインタビューのセッティングし、椅子に座った状態での人物を撮影すると、せっかくの背景がうまく映り込みません。そこで登場するのが箱馬。
つまり土台自体を上げて、人物の位置を高くして背景が映り込むように調整するということです。
舞台設定のようなものですね。

その他にも土台全体ではなく、姿勢を固定する椅子のような役割をする箱馬もあります。
人物が中腰、維持するのに困難なポーズを撮影する場合、少しでも負担を軽減するために、ちいさな箱馬に座り姿勢を固定できるようにすることもできます。
あくまでも舞台装置の一部なので、箱馬が映り込むことが内容に衣装などで隠したり、構図内に映り込まないようにします。

先に上げたテラスでの撮影などでも大活躍する箱馬ですが、大切なのは、撮影時に必要かどうか、どのくらいの高さ、どのくらいの面積のものが必要かというのを撮影前に把握していることです。つまりは撮影前のロケーションハンティング(ロケハン)がとても大切ということです。
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