昨年のノーベル物理学賞受賞によって、さらに注目されているLED照明ですが、あのヴァティカンのシスティーナ礼拝堂の照明にもLED照明が採用されました。
ノーベル物理学賞受賞後、昨年10月に7千個のLED電球を使い、ミケランジェロのフラスコ画「最後の審判」「天地創造」を照らしたシスティーナ礼拝堂が公開になりました。
年間600万人の入場者があるシスティーナ礼拝堂では、観覧者の呼気や汗、電球の熱などでフラスコ画を傷めると懸念されてきたのは周知のことで、増え続ける観光客の制限をしなければならないと言われていました。LED照明採用後もこれまでと違う、鮮明に見えるフラスコ画を一目見ようと観光客が増えることは同様に懸念されていますが、LED電球採用によって、エネルギーの節約と二酸化炭素排出の削減効果を見込んでいます。
これまでの電球に比べ、熱くならない、そして電力消費量も約6割削減できるそうです。
これまでにもすでにパリのルーヴル美術館でLED照明が採用されていますし、パリの観光地の照明にもLED照明に交換されて、そしてこれからの予定も発表されています。
ヴァチカンが採用し、そしてイタリア、ローマ市でも将来ローマ市内の道路、歩道、広場の街頭をLED照明に交換する予定を発表しました。
環境にやさしければ、美術品などの保存にもやさしい。
しかも明るい。
システィーナ礼拝堂をご覧になった方なら記憶されているかもしれませんが、確かに天井、壁に描かれたフレスコ画はその高さもあって、細部まであまりよく見えないものでした。7千個のLED照明で照らされたフレスコ画は鮮明に見えるそうです。
歴史に残る名作を技術の恩恵を感じながら鑑賞できる時代です。