海外の知人フォトグラファーのお話。
ウエディングフォトを撮影の際、日本人と欧米人では写真の好みが違うというのです。
適切な露出で撮影していたところ、日本のエージェントから、もっと露出を挙げてほしいというリクエストがあったそうです。それは新婦の白いウエディングドレスが白飛びするぎりぎりくらいまでの露出。フォトグラファーはもちろんドレスのディテイルまでキレイに映り込むようにしていましたが、白いドレスに合わせていると新婦自身の顔の明るさが足りない。日本人は明るめの肌色を好むため、たとえドレスが白飛びしても顔の露出を優先してほしいという理由でした。
さらにウエディングフォトの場合、たとえドレスが白飛びしてもそれはマイナスではないという捉え方があるようです。
うってかわってヨーロッパのウエディングフォトでは、新婦がウエディングドレスに込める思いが強く(実際に日本のようにウエディングドレスはレンタルということはほとんどなく、お金をかけて購入、またはオーダーメイドでつくることが多い)、そのため写真にドレスのディテイルも写ることを期待されます。サブ主役のようなドレスが白飛びしては大変。
もちろん欧米人と日本人との肌の色合いの差が露出のギャップに表れることがありますが、こんな風にシチュエーションや好みによって求められる露出が大きく変わることがあります。
撮影技術として適切な露出を学ぶことは基本ですが、撮影場所、シーン、顧客のニーズ、時代背景などで変わってくることがあります。臨機応変に対応して撮影スタイルの幅を広げてみたいですね。