絵画からのヒント 2

前回お話ししたのは、写真と絵画の類似点。
今回は双方の相違点をみてみましょう。
一般的に言われる、写真と絵画の違いは、絵画はゼロから足していくもので、写真は100から差し引いていくもの、ということです。
また根本的に制作過程が違いますね。ファインダーをみて、カメラという機械で一瞬にして写真として写す一方、絵画は人の手で時間をかけて制作していきます。
1800年代はじめに、つまり19世紀に始まった写真は、写真発明当時は「これで絵画はなくなる」と言われた時期があったそうです。物をそのまま映し出す写真の技術があれば、写実的に描く絵画はいらなくなると思ったのでしょうね。でもそんなことは21世紀になった今でも起こりません。
なぜならたとえ写実的な絵画でも、真実のみ写すまたは真実しか写せない写真と違って、作家の趣向やメッセージで表現方法を変えられるからです。
たとえ照明や演出などをしても写真は、そこにあるそのものを写し出します。それと違って絵画では意図によってかえられるという違いがあるのです。
相違点や類似点、比べてみると面白いですし、だからこそ両方の特徴を学びながら、それぞれのテクニック、写し方、構図の撮り方などのヒントにできたらいいですね。
双方のよい部分を写真撮影に取り入れていきたいものです。

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