ブツ撮りから料理撮影まで、構図を考える際に鉄則から離れたスタイルを試してみると、そこからダイナミックな、そしてオリジナルな写真に仕上がることがあります。
例えば、被写体をすべて写真内におさめなくて、被写体の鍵である部分をメインにして、ほかの部分が写らない写真が、かえって商品が持つ特徴が前面に出て強調されるような写真です。
形にとらわれると、自由な発想、自由なアングルへのストップになってしまい、オリジナル性に長けた写真がうまれない危険性もあります。
もちろんこれまでもお話ししてきた、基本的技術、基礎、などをふまえた上で、そこから遊び心を含んだ自由な発想が写真の無限な表現域を広げることになると思います。
照明、アングル、露出、スピードなど様々な条件が揃い、適切な写真撮影を行いますが、ここではその基本的な知識や技術をもとに、さらにオリジナル性を求めた写真撮影を探ってみたいと思います。
そこで今回は、思い切った構図。
黄金分割や日の丸構図、カタログ撮影では商品をどのくらい写真内に収めるかなどの割合、といった基本的な「きまりごと」がありますが、それにとらわれず、つまりどこで被写体を「きる」かということにとらわれないで、見ているもの、ひかれているものそのものに焦点を当てて撮影することによって、撮影者の目線を通して被写体が表現されることにつながります。
基本的なことをふまえての撮影というと、技術が必要な撮影方法のようですが、実はかえって本能的感覚を大切する方法なので、撮影技術関係なく試してみたい試みです。