広い分野で使われる言葉「圧縮」、写真撮影にもこの言葉が使われます。
「圧縮効果」というのは望遠レンズを使って写真に遠近感を少なくすることを言います。
つまり手前の物と背景を縮める、文字通り圧縮するといった言い方ですね。
さてこの圧縮効果、どんなときに有効かといいますと人物撮影にうまく利用できます。
背景を入れての人物撮影には、人物を引き出すためにF値を開放気味にして焦点を人物のみに合わせて背景をぼかす、という手段があります。それ以外にもこの圧縮効果を用いると人物を強調した写真に仕上がります。
背景を移し込みながら人物を撮影する際に、周りの背景や建物も構図内に入れたい場合には、標準レンズや広角レンズを使うとその分被写界深度が大きいために遠近感が強調されます。
一方、望遠レンズを使用すると被写界深度が狭いために、この圧縮効果がうまれ、手前にいる人物がぐっと強調される効果がうまれます。
これは以前お話しした広角レンズ、望遠レンズの性質そのものです。
レンズの特徴と、撮りたい写真のイメージを組み合わせることがポイントです。