名前もその機能もあまり一般的でないように感じるシフトレンズですが、よく目にする料理写真などにも多用されるレンズのひとつです。
シフトレンズのシフトについては前回お話ししました。それでは今回はシフトレンズのティルトについて。
シフトの場合にはレンズを水平方向、垂直方向に移動させるのに対して、ティルトの場合にはレンズを斜めにして光軸を傾けて、ピントの合う範囲をコントロールすることが可能になります。つまり被写界深度を深くもそして浅くもできるということです。
これを利用したアオリ写真が近年人気のジオラマ写真となります。
しかしこのアオリを利用した写真はジオラマ写真のみならず、先ほど触れた料理写真にも使われます。例えば何品か並んだお皿の撮影をする際に手前から奥まで、すべてにピントを合わせられるのはこのシフトレンズのみです。そしてジオラマ写真の要領を利用して、被写体深度が深くなってしまうものを逆に浅くしてピントが合う部分の範囲を狭くするのも、料理やテーブルセッティングの撮影テクニックに使われるのもシフトレンズです。
大活躍のシフトレンズ。あまり聞かないのはプロ仕様ということと、そのお値段に関係するのではないかと思います。
料理写真を撮影する機会の多い方には、余裕があればぜひお勧めしたいレンズです。
撮影対象に応じた撮影照明をご提案