フォトグラファーは目が命

先日ある雑誌を読んで、目から鱗の情報を知り得ました。
「ドライアイ」「近視」「老眼」に関して大変著名で革新的な研究をされている坪田一男先生という眼科医がいらっしゃるそうです。
その先生のお話が非常に興味深いのです。
ドライアイや老眼、白内障と緑内障の違いなども興味深いのですが、なんといっても近視についてのお話です。
それは、近視が太陽に含まれるバイオレットライト(紫線)によって進行を抑えるということです。
このことを2016年には論文でも発表され、書籍も発行されているので、もしかしたらみなさんの中でご存知の方は多いかもしれません。

世界で近視は激増していて、60年前に比べると4倍ほど増えているそうです。さらに失明の原因の中で4番目に大きな疾患が高度近視というものだそうです。
近視とは一体どういう状態なのか?それは眼に入ってきた平行光線が正常よりも網膜より手前で焦点を結んでいる状態のことで、眼軸長という角膜頂点から網膜までの長さが伸びることだそうです。
そして驚くのが、バイオレットライトを浴びると眼軸長の異常な伸展が抑制されて、近視進行が抑制されるそうです。これは成長期の子どもにとってとても大切だそうで、成長期に太陽を浴びて育った子どもとそうではない子どもでは後々の近視が起こるパーセンテージに差が出るという結果があるそうです。
現代日本では屋外で2時間以上遊ぶ子供はなかなかいないそうで、これも近視が増える要因ということ。なぜなら屋内にはバイオレットライトはほとんどないのですが、一方太陽光には豊富に含まれているから。しかもUVケアのある(つまり紫外線も紫線もカットしてしまう)近視の眼鏡をかけていると、ますますバイオレットライトを浴びないので近視が進んでしまうというパラドックスになりがちというじゃありませんか。
それで坪田先生(坪田ラボ https://tsubota-lab.com)が研究しているのが、紫外線はカットするけれど紫線(バイオレットライト)は透過する「バイオグラス」というもので、2022年に実用化を目指しているそうです。
すでに共同開発をしたものがJINSにてバイオレットライト選択透過レンズという商品としてあるんですね。そういえばこの商品聞いたことがありましたが、ただ、バイオレットライトの存在を知らなかった!
そして屋内でもバイオレットライトを浴びられるようにバイオレットLEDも開発中だということです。すごいですねえ!

眼って大切ですものね。仕事で眼を使わないことってほとんどありませんし。
もちろんフォトグラファーには目は命ですから!

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