先日CMのロケ撮影をしている撮影隊を見かけました。かなり大掛かりなセットのなか、目立っていたのが黒いテント。
日中の太陽光が強いなか、撮影した映像チェックは屋外では不可能です。
ロケ撮影で近くに中継点としてお店やなど建物を確保できたりする場合は、そこを基点に撮影前後の映像チェックは屋内ことがほとんどでしょう。
それでも立地的にそれが不可能な場合も多々あるはず、そして登場したのが黒テント。
いわゆるアウトドアのテントとは違い、小部屋くらいの高さと幅のある空間で、天井もしっかり張られていましたが、側面は出入りをしやすくするためかカーテン状になっていました。
ひらひらとなびく側面のカーテンの隙間からは、テーブルに設置された機材がかっしり、そしてその横には椅子とともにモニターが置かれていました。監督チェックの空間です。
モニターチェックの際に遮光がシビアに行われるのは、外光に左右されてモニター上の明暗や色合い、コントラストが正しく判断されなかったり、外光反射で作業の妨害も避けるためです。
映像でも写真でも最終チェック次第で仕上がりが変わると思えば、自ずと慎重になります。
さて、ご家庭でもパソコンでの写真やビデオのチェックや整理の際にモニターの遮光に気遣いされていますでしょうか。日当たりのいい窓を背にして、または窓を前にしてパソコンに向かっていませんか? ディスプレイの輝度が自動調整されている場合には部屋の明るさによって、時間によって自動調整され、知らないうちに一定の輝度で作業していないことになります。
ポストプロダクションのオフィスや印刷ラボなどは外光をシャットアウトしていたり、もともと日当たりのよくない物件を選んだりします。「日当たり良好」はモニターの作業には必要ないんですね。
プロのようにモニターの遮光フードをつける必要はありませんが、ちょっと意識してみてはいかがでしょう。