色は、当たる光によって異なって見えます。
たとえば照明の色によって料理がおいしそうに見えたり、逆にマズそうに見えたり。
この違いは、当然ですが物質そのものが変化しているのではなく、物質に当たる光が
変化しているんです。
もちろん、電灯などの人工の光だけではなく、太陽の光の当たり方によっても、色の
見え方は変化します。
地球上での太陽光の当たり方は、太陽からの距離によって変化します。
つまり、太陽に近い赤道と、太陽から遠い南極や北極とでは、光の量や質が全く違う
のです。
赤道にふりそそぐ光は、強く、明るく、赤っぽい光です。
この光の中では、赤やオレンジの色がきれいに見えるんだとか。
反対に、南極や北極にふりそそぐ光は、やわらかく、青っぽい光。
ということで、寒い地域では、青や紫の色がきれいに見えます。
暑い国は「赤」のイメージで、寒い国は「青」のイメージが何となくしっくりくるの
は、こういうことなのかもしれませんね。
また、色の見え方は、空気中の湿度にも影響されます。
具体的にいうと、湿度が高い地域では色はボンヤリとし、湿度が低い地域では色は澄
んで見えます。
太陽光はもともと澄んだ色ですが、空気中に水分が多いと光が拡散し、くすんだよう
な色になっていくのが原因だそうです。
そうやって、国や地域が持つ色のイメージが自然と出来あがってくるのでしょう。
光が「地域色」を作り、人間だけでなく、生き物すべてがそのイメージを共有して生
きているのですね。