先日映画撮影の現場に行ってきました。
肝心の俳優さんたちの演技もですが、気になるのは撮影環境、撮影機材などなど。
舞台設定は美術館内ということで、セット内も薄暗く、箇所箇所に照明はあるものの主要照明は大きな八角形のソフトボックスが2灯。そのどちらにもきれいにハニカムグリッドが装着されていました。
ハニカムグリッドはその名の通り、蜂の巣のような形状で、ソフトボックスに装着することによってさらに光量を抑える役目をします。それだけではなく、ソフトボックスから発光される光の表面に蜂の巣状の格子ができることによって、光の流れを制御して照明面積を制限します。
ということは?
普通ソフトボックスで照明をつくると、あてた中心が特に明るくなるのはもちろんですが、ソフトボックスの面している全体が部分も明るくなります。一方ハニカムグリッドを装着したソフトボックスでは、格子で光量と照明角度がセーブされ、ほんのりとまるい照明が出来上がります。
どの場合にも照明は被写体によってベストな照明機材照明方法が変わってきますが、先の美術館内のセットとしては全体が明るすぎないハニカムグリッド付きの大きなソフトボックスでの照明がとても自然に映るというわけです。
例えば黒背景で商品撮影をする場合などにも、商品以外の背景には必要以上光がいかないようにハニカムグリッドを装着すると、商品が浮き出たような立体感ある照明ができます。
ハニカムグリッドというと、大きなスタジオ機材のアクセサリーのようですが、フラッシュやストロボに装着できるハニカムグリッドもあります。
「なにかいまひとつ」と照明に納得できない方は小さなハニカムグリッドから試されるのもいいかもしれません。