「家族」について

11月16日公開された「鈴木家の嘘」という映画が気になります。
主演の岸部一徳さんがラジオ番組のゲストに出演されたのを聞いたのをきっかけに、他のキャストのみなさんはもちろんのこと、岸辺さんと監督の野尻克己さんのインタビュー記事などを読んで、さらにこの映画に惹かれます。

橋口亮輔監督、石井裕也監督、大森立嗣監督などのもとで助監督を務めてきた野尻監督の長編劇場映画デビュー作。
スタッフリストには、撮影、照明、音楽など近年の日本映画を牽引する作品に携わってきたスタッフのクレジットがありさらに拍車がかかります。

ものがたりのあらすじは、鈴木家の長男が突然この世を去り、そのショックで母が意識を失う。四十九日に意識を取り戻した母が長男のことを聞くと、とっさに長女が兄の死を隠してアルゼンチンに行ったと言ってしまい、そこから母のために「嘘」を重ねていくというストーリー。
予告編を見ると、コミカルな場面展開や、飄々とした岸辺さんの存在、監督自ら語る家族につていの思い、思考がからまって、ぷぷぷっと笑ってしまう映像があるのに劇場にはハンカチを持っていかないとと思ってしまう場面も。

コミカルなのにすーっと画面に惹きつけられるのは監督の実体験をもとにしたものがたりだからかもしれません。
映画を見終えた監督の母親が「音楽がよかった」「ありがとう」と言ったそうです。
音楽担当のAkeboshiは「ぐるりのこと。」主題歌や、「恋人たち」の主題歌も手がけていて、この「鈴木家の嘘」の主題歌「点と線」のMVは鈴木家の長女役の木竜麻生さんが出演しその一年後を描いた内容になっています。映画の後でまたもう一度堪能したいMVです。
そのMVの監督も、もちろん野尻克己監督。

撮影機材・LED照明の専門店