この9月に去られた樹木希林さんの写真展が、東京ミッドタウンのフジフィルムスクエア ミニギャラリーにて開催されています。
世俗や慣習などに流されることなく確固たる意志、考えを通す姿は芸能関係者からも一般の視聴者からも大きな羨望とともに尊敬と信頼、支持があった、唯一無二の俳優だったのではないでしょうか。
それを示すエピソードは枚挙にいとまがありません。
多くのドラマ、映画、そしてCMに出演作品がありますが、1978年から40年間富士フィルムの広告、CMに出演され、富士フィルムといえば樹木希林、といった私たちの中でイメージがわくほど定着したものです。富士フィルムが樹木希林さんに感謝を込めて開催する写真展なんですね。
フジカラーのCMで突出して有名なのが、岸本加世子さんのセリフ「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに」というフレーズ。
当初台本には「美しい方はより美しく、美しくない方も美しく」というフレーズだったそうです。それに対して樹木さんが「そんなの嘘だ」と反論し、後半部分を「そうでない方はそれなりに」という文面に変えたということです。つまり、あのヒットしたセリフは樹木さんの発案だったんですね。
優しくて、あたたかくて、ウイットの利いた素晴らしいコピーですよね。
樹木さんは、「写真は家族の記憶をとどめるもの」と語っていたそうです。
そう考えると、写真ってなんて優しいものなんだろう、なんて思ってしまいます。
この写真展には多くの雑誌社の協力も仰ぎ、あの有名な家族写真、SWICHの表紙写真も展示されています。
じっくり、ゆっくり拝観したい写真展です。