一昔前、テレビモニター枠が漆黒の黒いテレビが発売された際に、
黒がしっかりとした黒、つまりグレーに近い色ではなく真っ黒であれば、テレビ画面内の映像の黒もキレイに写る。という広告・宣伝がありました。
その頃から真っ黒のフレームがあるテレビが増えていったのかもしれません。
それまでは、シルバー枠、グレー枠、黒であってもマット感のあるつや消しのフレームなどが占めていました。
確かに枠が暗い色だと画面が締まるのは、写真の世界でも同じこと。
枠が暗いと画面、画像が締まるというのはカラー写真でもそうですが、白黒写真は顕著に表れます。
そのためフィルム時代には白黒プリントを暗室でプリントする場合には、画像の枠部分を少し余計に焼いて仕上げるという方法がありました。
つまり、トンネルから遠くの風景を見る感じです。
こちらから見る風景はトンネルの暗い枠部分と、向こう側の明るい風景部分。
これによって画面が締まり、画像としてしっくりくるんですね。
ブツ撮りで背景に黒を使用する場合も同じような効果があるかもしれません。
背景が黒、被写体の部分に適切な照明があてられ、まさにピンポイントで演出しています。
「黒」をうまく利用してビシッと決めたいですね。
ぼんやりした黒にならないように、撮影前のホワイトバランスをお忘れなく。