LED照明を光らせることの出来る微生物がいます。
「ジオバクター」と呼ばれる微生物は、有機物を食べて分解した副産物の電子を体外に放出し、「発電」する能力があるんだそうです。
その電子を捉えて、エネルギーに利用できないか、というのが発想の源です。
「ジオバクター」は1987年に、マサチューセッツ州立大のデレク・ラブリー教授が、川底の泥の中から見つけ出しました。
体長はおよそ2マイクロメートル(1ミリの500分の1)で顕微鏡でしか見れません。
空気中の酸素を嫌うので、地中や海底、沼底など、酸素のほとんどない環境で生息しているそうです。
要するにこの微生物を上手く利用できれば、汚泥を燃料として発電する「微生物燃料電池」が出来る、というわけです。
環境もきれいになるしエネルギーも蓄えられるなんて、一石二鳥のすごいヤツですね。
現在さまざまな研究室でこの燃料電池の実用化に向けた研究が進んでいます。
ペルーの大学の研究者が開発した技術では、ジオバクターから発せられる電子を捉えてバッテリーを1日充電したところ、LEDの電球を2時間光らせられる程の電力が充電できたとのこと。
また、ジオバクターにはウランを固定化する能力もあるとされていて、核廃棄物をきれいにすることができるのではないかと期待され、こちらも研究が進んでいます。
そうなればまさに奇跡の微生物ですね。