自然写真家、高砂淳二さんの最新写真集が先月発売になりました。
タイトルは「PLANET of WATER」、すべての生命の源でもある水を追いかけた写真集ということで地球上の息を呑むような美しい一瞬を捉えた高砂さんならではの写真集です。
この写真集は、ラジオに高砂さんがゲストで出演されてそのゲストトークで知りました。
パーソナリティーが感想を述べた、水辺に佇むフラミンゴの写真はその姿が水辺に反射して上下対称になっているというくだりを聴いて想像していましたが、実際にその写真(表紙)を目にすると、わああと声があがりそうになりしました。まるで上空に浮かんでいるような光景で、横に並んで佇むフラミンゴとその背景にある空と雲が水辺にまるで鏡で反転したかのように写っているのです。
その撮影の時の話を高砂さんはこう語ります。ボリビアのウユニ塩湖で、遠くからフラミンゴの群れを見つけ、車で500mくらいまで近づき、それから歩きながら最終的には30-40mくらいまで近づいて撮影した。水位が3-4㎝で風もなく水面が揺らいでないまさにプレゼントのような状況で撮影できた一枚だそうです。
高砂さんの言葉をここに記したいと思います。
僕ら人間の体の約2/3は水でできていて、いつも地球の水が入れ替わっています。地球と、そこで暮らす僕ら生き物にとって、地球上の水は自分の体液と同じであり、地球と僕らは一心同体なのだ、ということを、肌で感じていただければ幸いです。(高砂淳二)
海洋プラスチックの問題が頻繁に議論されるようになりましたが、高砂さんが初めてその問題に気づいたのは21年前にクロアシアホウドリ繁殖地で有名なミッドウェー島で雛たちがたくさん死んでいるのを見たのが最初だそうです。親鳥が餌だと思って雛たちに口移しであげていたものがプラスチックで、それで雛たちは餓死して死んでしまうという状況だったそうです。
世界中を周り、人間が居られる極限の厳しい気候の中でも撮影してきた、自然界とそのままの動物たちを捉えてきた高砂さんだからこそ環境問題も文字通り肌に感じているのでしょう。
写真集と同じタイトルで写真展が開催されます。東京の会期は終えましたが7月18日から大阪ニコンTHE GALLERYで開催されます。