旅とごはんと人と

旅することに魅せられ、仕事を続けながらこれまで50か国ほどを訪れたという松本智秋(まつもとちあき)さんの写真が一冊になって刊行されました。
こちらの書籍は中国から始まりイスラム教国、そしてムスリムが暮らす地域がある国などを旅した記録が訪れた順にまとめられたA5版フルカラーの144ページ。
バックパックひとつの女ひとり旅、おもしろいのは右のポケットにフィルムカメラのGR1vを、そして左のポケットにGR DIGITAL IVを忍ばせて旅の風景、そしてごはん、人々を撮影したというところです。
デジタルカメラはご飯記録用だそう。
目次には2015年10月に訪れた中国、西安から始まり2019年6月のジョージアまで上半分に時系列で国の名前、下半分に地図上に訪れた都市が記されています。
本のタイトルが「旅をひとさじ てくてくラーハ日記」、ラーハとはアラビア語で休息、安息、寛ぎといった意味だそうで、その通り食の写真が中心ですが合間合間にある地元の人がくつろいでいる写真や街並みの様子があたたかく、色鮮やかなポートレートや見開きの大きな写真にほっこりしたりどきりとしたりします。
松本さんのエッセイとともに読み進めると、グルメ本でもなければガイド本でもない、まさに松本さんのパーソナルな写真記録で、それがなぜか懐かしい優しさがあるのです。
フィルムカメラで撮影された写真の色合いにそう感じさせられるのかもしれません。
容易に旅ができないこの時期、写真とエッセイが脳内旅行に連れて行ってくれるようです。

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見れば見るほど欲しくなる

見れば見るほど欲しくなるカメラバックがあります。
本来カメラバックとして販売されている商品ではないのですが、撥水と容量が魅力なリュック型で、すでにカメラバックとして活用している方もいらっしゃるでしょう。
撥水と容量が魅力と言ってもそれは実は二の次で、このバックの魅力はなんと言ってもその形、デザインです。そのバックは côte&ciel (コートエシエル)のNILEです。
スティーブ・ジョブズがコートエシエルのISARというモデルのバックを持っていたことからISARが一世を風靡しました。そのISARのブランドと言ったらピンとくるかもしれません。
これまでのリュックの形の概念を覆すかのようなフォルムで、もちろん美しいラインだけではなく機能的で実用的な上に美しさが備わっているからこそ世界中で人気なのでしょう。

さてNILEはISARをもとにふまえてデザインされたモデルで、まるで一枚布で作られたようなシンプル、ブランドのHPには「繭のような形」とありますが、まさにシンプルなのに温かみのある特徴が目を引きます。ラップトップポケットには15インチがしっかりと収納でき、収納する量によって表面の布の表情が変わるような作りです。素材はポリエステルで撥水、軽量なのもカメラバックとして便利です。
現時点このモデルは日本のオンラインでは売り切れ中ですが、ヨーロッパサイトではNILEの違うモデルもあるので日本に入ってくる可能性もあるかもしれません。
納得するカメラバックを探すことって意外に難しいんですよね。じっくり見比べて好みのカメラバックに出会って活用したいものです。

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注目のトークイベント

独自のワークショップや様々な興味深いイベントを企画している横浜美術館のライブラリー・トークの第4回目開催が発表されました。
ライブラリー・トークとは横浜美術館の図書館である美術情報センターの写真集を取り上げて写真家を招いたトークプログラム。第1回目は長島有里枝氏、第2回目は鈴木理策氏、そして前回は畠山直哉氏といった写真家の名前だけで参加したくなる注目のトークイベントです。
さて今回は、造本家の町口覚氏。グラフィックデザイナーでありパブリッシャーでありアートディレクターである町口氏が写真家とともに手掛けてきた写真集は数知れず、会場となる約11万冊の美術に関する図書資料を所蔵する横浜美術館の美術情報センターでのトークイベントにまさに相応しいゲストではないでしょうか。
配信はZoomで、事前に参加者が写真集に関する質問に答えてそれをもとに本作りのプロの語りが展開されるというイベント。
開催日は3月12日、申し込み期間は2月7日まで、定員は50名、参加費無料。
対象が12歳以上という点も興味深いです。
こういった興味深いイベントも本来ならば開催地に近い場所に住んでいないと難しいものですが、オンライン開催だからこそ普段は躊躇してしまうイベント参加も可能になるという、この時期のいい面のひとつとも言えるかもしれません。

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カレンダー

年の瀬を迎え、来年のカレンダー選びの時期ですね。
何気に毎日見るカレンダーなので自分の好みにぴったりのものを選ぶと気分よく過ごせますよね。
大判のものから卓上、手帳サイズまで大きさはもちろん、機能重視からイラストや写真などカテゴリーは無限です。自分で撮影した写真をカレンダーにするバージョンも楽しいものです。
さてそんな選択肢が無限のカレンダーの中で、こんなカレンダーもあります。
飛行機のコクピットがテーマのカレンダー、その名も「JAL PILOT -I have Control-」。
JALの機材、パイロットが登場するカレンダーで2022年版で4年目となる人気シリーズで、実際の機体内外のシーンなので臨場感があります。
さて、この「JAL PILOT」、単にカレンダーだけでないVR映像キット同梱版というものがあります。600個限定生産で4機種のコクピットと運行をVR体験できるというもの。機材4機種、4つの運行ルートは国内線3ルートと東京-ニューヨークの1ルートです。
航空ファンにはもちろんですが、ちょっと変わったプレゼントとしても面白いカレンダーではないでしょうか。
さて来年はどんな年になるでしょう。
みなさまにとって幸多き年となりますように。
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これは便利!

ケンコー・トキナーから液晶フィルムスキャナーが発売されました。
パソコンを使わずにフィルムを直接スキャナーに差し込み、そのままメモリーカードに保存も可能という優れもの。従来のものと違うのは液晶モニターが5インチと大きいので確認や作業もずいぶん楽にできそうです。そのままデジタルフォトフレームとしても楽しめる他にケーブルでテレビに繋いでさらに大画面で鑑賞するのも可能。
ひとりでの編集作業も家族や友人と一緒に観る楽しみも使い道は色々ありそうです。
フィルムカメラ好きの人にはもちろん、今はデジタルだけどこれまで撮影したフィルムが多く残っている人、データ保存をして整理をしたい人には手軽で便利ですね。
カラーネガフィルム、白黒ネガフィルム、カラーリバーサルフィルムに対応、大画面で確認しながら露出補正も9段階調整可能。
仕舞ったままのフィルムを気軽にアーカイブにするのにぴったりです。

https://www.kenko-tokina.co.jp/pc/scanner/kfs14df.html

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まるで小説のような世界

写真家 岡田敦さんがライフワークとして2011年から10年に渡って撮影してきた北海道根室半島の沖合にある小さな無人島、ユルリ島に関するサイトが12月1日に公開になりました。
昆布業が盛んで、それを引き上げる労力として馬が島に移入されたのが1950年、時代とともに労力としての馬の役割と産業衰退とともに最後の島民が島を離れたのが1971年、その際に馬だけが島に残され2006年には雄馬が島から引き上げられた、その島と馬たちの姿です。
1976年にはユルリ島が北海道自然環境保全地区に指定され、学術調査以外での上陸は禁止されているので、興味を持ち始めた2009年の時点では撮影許可が下りず、それから交渉を続けて初めて島に降り立って撮影したのが2011年とのことです。
凍てつくような北の自然界の中の馬の様子や島の様子を見ていると体感温度さえ下がっていきそうなのに、なんだか胸が熱くなります。

サイト内は6章の構成で「ユルリ島」の歴史や背景に引き込まれてしまうテキストとともに写真を見ることができ、さらに4本の映像作品が音楽とともに見ることができます。
アーカイヴや資料記録というよりは、小説を読んでいるような、映画を読んできるよな、まさにひとつの作品世界です。

2017年にユルリ島の関心が高まり「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」が設立されたそうです。

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リラックスにも集中するにも

長いコロナ禍で生活の中でその影響が感じられることがありませんか。
うまく寝付くことができない、夜中に目が覚めたら眠りにつけない、仕事や物事に集中できない、などなど。
そんな時手軽で簡単に調整できるのが腹式呼吸です。
医学博士のアンドリュー・ワイル氏が提唱する「4-7-8呼吸法」、博士自身が実際に実演しているビデオをご覧ください。
実演は動画1分過ぎのところからです、方法は以下の通り。
1. まず口から息を吐ききる
2. 鼻から息を吸いながら4つカウント
3. 息を止めて7つカウント
4. 8つ数えながら口から息を吐く

これを3回繰り返すと、博士の実演ビデオにもあるように大体1分間になります。腹式呼吸によって自律神経が整い不眠を解消したり、集中力を高めたり、そして不安を解消したりと、試してみる価値があります。
ヨガでも慣れてくると吸った倍の時間をかけて吐くようにという教えがありますが、ワイル氏の呼吸法も4つ吸って8つ吐くというカウントですね。
撮影の合間のリフレッシュにもおすすめです。

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壮大なジャムセッション

現在アーディゾン美術館で開催されている「ジャム・セッション M式『海の幸』- 森村泰昌 ワタシガタリ神話」は、石橋財団コレクションの青木繁作品の自画像や作品の人物に森村氏が扮した写真作品と映像作品で構成された展覧会です。
ジャムセッションというのは財団所有の作品をベースにアーティストと学芸員が共同してセッションとして新しい作品を生み出して展覧会を構成するという面白いプロジェクトです。毎年一回開催する予定だそう。
さて、その大規模なジャムセッション、50点以上の森村氏の新作を観ることができるということで、まさに森村氏による青木繁研究ですね。
その大掛かりな展覧会にも圧倒されますが、関連プログラムも面白いです。
「土曜講座」というプログラムはもともと森村氏の講演を予定していたそうですが感染拡大予防のために動画がYouTubeで公開する形式になり、現在5週連続の森村氏の動画を自由に観ることができます。これってすごい機会ですよね。
5つに分かれた展覧会構成に沿って、森村氏が語ります。
短い動画で約11分、長い動画が約37分、公開期限がないそうです。
コロナ禍の影響はいろいろな場面に影響していますが、こうやって自由にアーティストの「講演」を聞くことができるのは嬉しいことです。
展覧会は来年2022年1月10日までです。

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最後のグランプリ受賞作品

今年度で終了する「写真新世紀」の選出公開審査会が行われ、賀来庭辰(かく なおたつ)さんが、作品「THE LAKE」でグランプリを受賞されました。
なんと動画作品。
審査員の清水穣さんのコメントにもあるように、30年前の1991年にスタートした新人写真家の発掘、育成、支援を目的とした文化支援プロジェクトのコンテスト最後のグランプリ作品が動画作品ということはとても象徴的な表れなのではないでしょうか。
写真新世紀のHPにこのプロフェクト、コンテストに関して以下のような記述があります、「テクノロジーの進化によって、カメラの領域は、フィルムからデジタル、静止画から動画へと拡がっています。『写真新世紀』は、静止画と動画が互いの境界線を超え、写真表現の可能性を拡げると考えます」(抜粋)と。
まさに最後のグランプリにてその写真表現の可能性が拡がっていることを示した形となります。

今回の公募には過去最多の2,191名(組)の応募が国内外からあり、グランプリを受賞した賀来さんには奨励金として100万円および副賞としてキャノンのミラーレスカメラEOS R5、交換レンズRF24-70mm F2.8 L IS USMが贈呈され、来年度の新作個展開催の権利が授与されました。賀来さんは2017年の写真新世紀にて佳作を受賞して今回のグランプリという経緯もあり、来年の個展にも期待が集まります。

今回のグランプリ受賞作品「THE LAKE」はHPにて観ることができます。白黒の25分52秒の作品はまるで短編映画を観ているようです。

来年には東京都写真美術館とキャノンギャラリーSにて開催予定の30周年回顧展は歴代受賞者の作品の中から一般の投票で決められた作品が展示される予定です。写真新世紀のHPにて2022年4月2日まで投票できます。

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師弟の写真展

11月28日まで写真展「藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ」が開催しています。藤井保氏と瀧本幹也氏といえば師弟関係、瀧本氏が18歳の時にみた藤井氏のJR東日本「その差秋の日本へ。」という作品に心打たれ、20歳の時に藤井氏に師事し27年に及ぶ関係があるふたりの「二人展」です。
ギャラリーからの依頼によって始めた写真と言葉の往復書簡が今回の展示内容です。昨年は同ギャラリーで木村恒介氏とともに3人展を行っています、同じ広告写真というフィールドかつ映像も手がけるお二人ですがコントラストがある作品を展示していました。

この2年半にわたる往復書簡が書籍としても発売されます。ブックデザインはお二人とも交流の深い葛西薫氏、一般発売は11月8日ですがギャラリーで先行販売されます。
内容は2019年6月から2021年8月までのおよそ100通のメールによる写真と言葉を収録とのこと、藤井氏と瀧本氏の作品を同時に、そして言葉も一緒に触れることができる写真集とは違う楽しみ方ができそうです。
刊行を記念して代官山の蔦屋書店ギャラリースペースにてMA2 Galleryとは違う作品展示とその販売、サイン本の販売なども行われます。

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