写真集、そして映画

写真集、そして映画
2008年に発行された写真集「浅田家」が今年2020年映画化されました。
赤々舎から発行された「浅田家」は現在重版7刷。サイトのページにもある通り、まさに「写
真集のベストセラー。
写真集が発行された当時からじんわりと、そして長い間話題を呼んでいたのは、これまでにな
い写真集であり真似ができないオリジナリティが際立っていたからでしょう。
2009年には「浅田家」で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞しています。
父と母、そして兄を巻き込んでの家族写真を撮影するために家族の休みを合わせて、場所や服
などを借り、みんなで作り上げていく家族写真は写真家本人が言う「記念写真」であり、7年の
月日をかけて作り上げた数々の「家族写真」は、それ自体が本当に映画を作り上げる過程のよ
うで、写真集発売から12年を経て映画となって公開されるのも不思議ではないほどの家族のス
トーリーが詰まっている写真集です。
映画化決定の発表があり、主演が二宮和也さん、お兄さん役に妻夫木聡さんというキャスティ
ングからも話題になり、10月2日の公開に向けてたくさんの媒体で映画「浅田家」について取
り上げられている記事やインタビューを見かけました。それによって写真集の「浅田家」も改
めて注目されています。
家族全員が撮影のために協力し実際に「出演」し、「演じる」。
これまでにも多くの「家族写真」の写真集はありますが、その多くは写真家が写真家の家族を
写すというもので、写される家族自身も参加して演じるというのはそうあるものではありませ
ん。
ワンカットのために協力し、お願いされたように振舞うことはあるかもしれません、しかし
「浅田家」の「家族写真」は「記念写真」として家族全員参加で全員共演なのです。
テーマは普遍的な「家族」、そしてアイデアがあっても実行し実現するのには難しい、この
「記念写真」。だからこそ唯一無二の写真集として朽ちることはないでしょう。

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現場の様子が楽しく分かる「ニャイズ」

現場の様子が楽しく分かる「ニャイズ」
東京都写真美術館のサイトのフッター左部分にふたつのアイコンがあります。
ひとつはひと目見て分かる通りツイッターの鳥のアイコン、そしてその隣に猫のアイコンがあ
ります。なに?
それが「ニャイズ」、東京都写真美術館の広報誌別冊のアイコンです。
美術館ニュースとして「東京都美術館ニュースeyes(アイズ)」というものがありますが、そ
ちらは展覧会情報が紹介され、この別冊「ニャイズ」は現場での業務や学芸員の様子が率直に
紹介している漫画なのです。
なぜに「ニャイズ」か。
漫画家のカレー沢薫さんとのコラボレーションで、カレー沢さんのキャラクターの猫さんと飼
い主が東京都写真美術館に採用されるという設定から、猫漫画+eyesで、ニャイズ。
このニャイズが面白い!
私たちが美術館の展覧会で見るものは、ある意味「できあがったもの」ですよね、しかしひと
つの展覧会を企画し構成し展示し広報し開催するまでは、長い道のりでしょうが観覧者にはも
ちろん見えません。しかしその過程が興味深いところ。
最新ニャイズではこのコロナ禍での現場や展覧会の変更点、美術館としてのこれからの展望な
どがカレー沢さんのニャンズ(猫ちゃんたち)を介して面白くそしてわかりやすく描かれてい
ます。
展覧会と一緒にニャイズも読めば違う視点からも楽しめそうです。
ニャイズは毎月第三水曜日に掲載、バックナンバーも読むことができます。
各地の美術館や専門学校、書店などでも配布しているそうです。紙媒体も読んでみたいなあ。
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パリフォト 2020

パリフォト 2020
世界各国で大きなイベントや展覧会など新型コロナウイルスの影響で中止や延期、または縮小
したりというニュースが飛び交っています。
そんな中、9月15日に今年のパリフォトの開催が発表になりました。
例年通り、11月にグラン・パレで開催、日程は11月12日から15日までです。一方、10月に通常
開催の現代アート国際フェアのFIACは中止になりました。昨年のFIACでは5日間に7万5千人弱
の入場者を記録し、28カ国の199のギャラリーが参加しているアートフェア、この大きなフェ
アも中止になる程ですから、パリフォトの開催決定もいろいろな機関で錯綜しての決定でしょ
う。
主催者側はもちろんのこと、参加するギャラリストの準備なども大変なことは想像に難くあり
ません。
大規模な写真の国際フェア、パリフォトだけあって、期間中には既にいくつも大きな展覧会が
企画されています。
パリ近代美術館でのサラ・ムーン展(9月18日-2021年1月10日)やルイ・ヴィトン財団美術館
でのシンディ・シャーマン展(9月23日-2021年1月3日)など。
今年、パリフォトのニューヨークでのフェア開催を中止して、それを受けて出展予定だっ
た1200点以上に及ぶ写真作品オンラインビューイングが開設されました。
実際に行く機会がなくとも毎年パリフォトの様子やニュースには関心が集まります。さて、今
年のパリフォト、どんな感じになるのでしょう。
今月末に参加ギャラリーの発表があり、注目が続きます。

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新しい販売プレゼンテーション

新しい販売プレゼンテーション
Canonの新型カメラ、手のひらサイズの望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」の先行販売とし
てクラウドファンディングサイトの「Makuake」にて出品し限定販売数1000セットを発売日の
半日で完売しました。
前回のCANON×Makuaakeコラボシリーズの第一弾のiNSPiC RECの1000台販売も13時間で完
売しています。
今回のプロジェクトの終了予定日は10月7日でしたが、販売日9月10日の当日に完売、魅力的な
商品なだけに需要は十分にあるでしょうが、クラウドファンディングサイトの販売を知らなけ
れば、または少しでも遅れてしまうと購入不可能。それゆえに購買欲は刺激され、さらには商
品の注目度も上がります。新商品の新しいプレゼンテーションとも言えるのでは。
さて肝心の商品は、手のひらで包むようにして覗く望遠鏡型のカメラで重さや約145g、画素数
は1210万画素、画角が35mm判換算で100mm/400mm/800mm相当の三段階を手元のボタンで切
り替える仕様、覗きながら静止画も動画も動画も撮影。
支援金額は「本体1台+急速充電器1台+クリアファイル」と「本体1台+クリアファイル」の2種
類でそれぞれ31,460円、どちらも500セットの計1000セットでした。
掲載されている写真のように、その場で瞬間的にズームできるのでスポーツ観戦にはぴったり
でしょう。
スマートフォンとの連携機能も搭載、カメラで見ているその画像を、他の人がスマートフォン
で一緒に見ることができるという楽しみ方ができるのも特徴です。旅行や運動会、イベントな
どでも重宝しそうですね。
気になるのは一般販売がいつになるかということ。
新しいカメラの形によって日常生活のあり方も変わってきます、使い方も自分次第のカメラ、
ますます楽しみになります。

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ライアン・マッギンレーのTシャツ

ライアン・マッギンレーのTシャツ
25歳の時にホイットニー美術館で同館史上最年少の個展を開催し、現在でも国際的に展覧会を
開催しているアート界のみならずファッション界でもひっぱりだこのライアン・マッギンレー
がユニクロとコラボをしてTシャツが商品化されました。
ユニクロのUTコレクションといえば、アニメやキャラクター、ディズニーなど不朽の人気キャ
ラクターから旬で話題のキャラクターまでいろいろありますが、写真家とのコラボレーション
として「写真」がプリントされてTシャツとなったことがあるでしょうか。
現在バスキアのUTコレクションも発売されていますが、ペインティングやグラフィックではな
くて写真家とのコラボレーションはあったのでしょうか。
写真をプリントしてTシャツにする、その写真家をライアン・マッギンレーを取り上げたユニ
クロ!凄いなあと率直に思うところです。そして今や日本全国を網羅するのみにとどまらず、
ユニクロの店舗は世界中にあるということ。季節限定商品でも世界共通のものもありますが、
このライアン・マッギンレーとのUTコレクションはどうやら日本でしか購入できないようで
す。ユニクロが年2回発刊しているフリーマガジン「LifeWearMagagine」にUTコレクション発
売にあたってマッギンレーにインタヴューをした記事が日英で載っているのですが、購入でき
るのが日
本のみとなると、悔しい思いをする海外のファンは多いのではないかと想像できます。
さて、Tシャツはメンズの6種類がラインナップ。
エネルギッシュで美しい色のグラデーションと光のプリントはマッギンレーの作品そのもの。
どちらも写真のプリントとともにメッセージがはいっています。
メンズコレクションのみですが、構うことなく女性ファンも購入することでしょう。
ミュージアムの展覧会でのグッズ商品ではないけれど、その名の通り「コレクション」として
求める人もいるかもしれません。
写真家とのコラボレーションTシャツ、これからも広がると嬉しいなあ。

撮影機材・LED照明の専門店

ライアン・マッギンレーのTシャツ

ライアン・マッギンレーのTシャツ
25歳の時にホイットニー美術館で同館史上最年少の個展を開催し、現在でも国際的に展覧会を
開催しているアート界のみならずファッション界でもひっぱりだこのライアン・マッギンレー
がユニクロとコラボをしてTシャツが商品化されました。
ユニクロのUTコレクションといえば、アニメやキャラクター、ディズニーなど不朽の人気キャ
ラクターから旬で話題のキャラクターまでいろいろありますが、写真家とのコラボレーション
として「写真」がプリントされてTシャツとなったことがあるでしょうか。
現在バスキアのUTコレクションも発売されていますが、ペインティングやグラフィックではな
くて写真家とのコラボレーションはあったのでしょうか。
写真をプリントしてTシャツにする、その写真家をライアン・マッギンレーを取り上げたユニ
クロ!凄いなあと率直に思うところです。そして今や日本全国を網羅するのみにとどまらず、
ユニクロの店舗は世界中にあるということ。季節限定商品でも世界共通のものもありますが、
このライアン・マッギンレーとのUTコレクションはどうやら日本でしか購入できないようで
す。ユニクロが年2回発刊しているフリーマガジン「LifeWearMagagine」にUTコレクション発
売にあたってマッギンレーにインタヴューをした記事が日英で載っているのですが、購入でき
るのが日
本のみとなると、悔しい思いをする海外のファンは多いのではないかと想像できます。
さて、Tシャツはメンズの6種類がラインナップ。
エネルギッシュで美しい色のグラデーションと光のプリントはマッギンレーの作品そのもの。
どちらも写真のプリントとともにメッセージがはいっています。
メンズコレクションのみですが、構うことなく女性ファンも購入することでしょう。
ミュージアムの展覧会でのグッズ商品ではないけれど、その名の通り「コレクション」として
求める人もいるかもしれません。
写真家とのコラボレーションTシャツ、これからも広がると嬉しいなあ。

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パキッと照明

パキッと照明
みうらじゅんさん責任編集の仏像写真集が発売されました。小さい頃から仏像に魅せられたと
いうみうらさんは仏像に関する書籍も数多く、自らを「見仏人」と称し、国宝ではなく「僕の
宝」である「僕宝」を見つけよう、といった独特の感性で楽しませてくれます。
写真集の撮影は帆足てるたか(ほあしてるたか)さん。
みうらさんが「パキッと照明」と表現されたように、黒の背景に細部まできっちり見える仏像
が浮かび上がるように写されています。二度目のタッグを組むお二人は、今回特別対談があり
その様子も収められているそうです。
そこでみうらさんが写真家帆足さんについて知ったことは、もともとバイク写真を撮影する
フォトグラファーだったということ、それから10年くらい前から仏像を撮り始めたというこ
と。
バイクを撮るようなメタリック感、バイクを撮っていたからこそのパリッとした照明が再現さ
れたのだろいうということ。なるほど。随分と違った被写体の撮影経験が技術として表れたん
ですね。
この写真集では、仏像を真正面から撮影した写真のみで構成され、真正面だからこそ仏像の表
情の違いが分かり顔つきが見てとれること、さらに実際にお寺で拝観するときにまず人は正面
から見るからとのことです。
そして面白いのはいわゆるメジャーどころの京都奈良のみならず、東北、関東、中部、京都1、
京都2、奈良、近畿、という7つの章に分けて構成されている点です。
なるほど、タイトルが「ぐるっと仏像 ご当地仏真正面!」というわけですね。
正面から撮影された仏像写真を一挙に85、掲載。正面の仏像だからこそまるで目が合っている
ようで、どんどん引き込まれて見入ってしまいます。仏像ファンのみならず、写真ファンに
とっても見応えのある写真集ですね。
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写真家と写真家の相乗効果

写真家と写真家の相乗効果
インスタグラムで作品を発表している写真家ユニット、原久路&林ナツミ。
その名の通り現代美術家の原久路さんと林ナツミさんのお二人が無名の少女たちを被写体にコ
ラボレーション作品を制作しています。
2012年に刊行された「本日の浮遊」は林ナツミさんによる、まるで重力から解放されたように
浮遊して見えるセルフポートレートのプロジェクト。不思議なのに懐かしいようなこの作品が
世界中にファンがいるというのに頷けます。そして原久路さんが2009年に発表した写真シリー
ズ「バルテュス絵画の考察」の、バルテュスの世界観の美しさと危うさと艶かしさに目を奪わ
れました。
そうして辿り着いたのが写真家ユニットの原久路&林ナツミ、すごい吸引力の作家がユニット
として活動し、だからこそ目が離せない作品が続きます。
「本日の浮遊」ではシャッターを押していたのが原さんで、林ナツミさんは2009年から原久路
さんのアシスタントを務めているということでどちらの作品も既にお二人の存在があったんで
すね。そして2013年に写真家ユニットを結成。2014年から東京から九州へ移住し現在は別府市
在住、作品制作を続けています。
インスタグラムでは「世界を見つめる」シリーズで双子シリーズや三つ子シリーズなど、多彩
で(浮遊少女のように)一瞬の刹那を切りとった作品を見ることができます。
そんな写真家ユニットのお二人が、今回の東京都写真美術館の「日本の新進作家」にて5組の新
進作家の一組として出展しています。「日本の新進作家」は東京都写真美術館が2002年から開
催している展覧会で、写真、映像に関して支援そして作家の発掘と活動の紹介を目的に開催し
ているもので今回で17回目となります。
「あしたのひかり 日本の新進作家 vol.17」は9月22日まで開催。
4組の新進作家の作品とともに、写真家ユニット原久路&林ナツミの大きくプリントされた作品
を見ることができます。
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いつか、懐かしいと思うときが

いつか、懐かしいと思うときが

先日ラジオを聴いていたら、ゲストで写真家の初沢亜利さんが「東京、コロナ禍」という写真集を出版したということを知りました。
「沖縄のことを教えてください」や、「隣人、それから。38度線の北」など激変の地を追いかけて撮影するドキュメンタリーフォトグラファーの初沢氏が今回追いかけたのは、
日々、それもものすごい速さで変化していく大都市、東京。
蜷川実花さんもインタビューの中で、写真家ならばこの時期の東京は撮らずにはいられない、という旨のコメントをしていたのを思い出します。
閑散とした銀座の交差点、ネオンだけが光る歌舞伎町、片道三車線の大通りで遠くまで見通せる光景、見たことのない東京の街の様子を報道を通して見ていても、
なぜだか実際に自分の目で見たような感覚になるのは、知っている街だからこそ。見たことないのに見た覚えがあるような不思議な感覚。

写真集「東京、コロナ禍」は2020年、2月下旬から7月はじめにかけて、東京の街を歩き回って撮影した142点の写真が収められています。
写真は時系列に収録、だからこそ、じわじわと季節の移り変わりとともに変化していく東京を、いろいろな側面から見て感じることができるのでしょう。
まさに、ドキュメンタリーとして「記録」の写真集でもありますね。

歴史上ではなく、パンでミックそのものを現在で体験した私たちは、この記録的な写真集の一枚一枚の写真を見て、いつか懐かしく思うときがきっとくるのでしょう。

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そっと、ゆっくりページをめくりたい写真集

そっと、ゆっくりページをめくりたい写真集

フランスの出版社と日本のインディペンデントのブックレーベルの共同制作で、川内倫子さんの新しい写真集が9月中旬に発売になります。
話題をさらった初写真集「うたたね」が2001年、それから20年という月日がたち、あらためて「川内倫子然」とした世界が広がる写真集のようです。

川内倫子ファンの間では周知かもしれない、ウェブ連載「そんなふう」は、以前MILK JAPON WEBにて、現在はFasuにて連載されています。
新作写真集「as it is」は「そんなふう」で見ることができた写真もいくつか含まれている模様。
「そんなふう」でも出産を経て子育て中の川内氏のまざなしが瑞々しく、刹那に美しく、母としての慈しみ深い視線をも写真を通して魅せられる。
この新作「as it is」の中でもそこここに、川内スタイルと色彩が、やわらかい光とともに収められています。
「そんなふう」のみならず「りんこ日記」から川内氏の写真のみならず文章が好きだという方もたくさんいらっしゃるのでは。
「as it is」はテキストのページもあるというのも魅力です。
フランスの出版社からは英仏版、日本の出版社からは日本語版、日本語版のtorch pressでは現在サイン本の予約中です。

ちなみに「そんなふう」もこの秋にナナクロ社から書籍化予定とのこと。こちらも楽しみです。

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