『満員電車』

東京で仕事をする上では、通勤のための満員電車は、会社での勤務時間内のストレスに加え、避けては通れないもうひとつのストレスですよね。
もはや海外にまで東京名物として注目されていて、それを体験したいがためにわざわざラッシュアワーに乗ってくる外国人観光客もいるほどなのだとか。

さて、写真家マイケル・ウルフの作品「Tokyo Compression」は、そんなラッシュアワーの小田急線に詰め込まれた人々の姿をとらえています。
http://photomichaelwolf.com/#tokyo-compression/1

混雑のあまり窓ガラスにぎゅーっと押し付けられた手や頬。
写真に映る人々はこの状況を何とか乗り切るために、ひたすら無にしているようにも見えます。
見るだけで苦痛なほど、窓ガラスは熱気で結露し、車内の湿り気さえも感じられてくるような迫力ある写真です。
ウルフは日本に来るたびに満員電車を撮影し続けたそうで、4年 間かけてこの作品を完成させました。

ちなみに、朝の小田急線は都内でも随一だそうで、ピークの混雑率は191%になるそうです。
平均混雑率の数字を見ると、名古屋圏は134%、大阪圏は124%ですから、やっぱり東京が異常なんですよね。。。

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『宇宙の写真』

NASAから公開された宇宙の写真が、国内でもたまにYAHOOニュースとかになることがありますよね。
綺麗ですよね、宇宙の写真。

でもこれって、天体望遠鏡で見たままの映像をそのまま公開しているわけではないそうなんです。
実はアーティストと科学者のコラボレーションによるものなのだとか。
撮影された様々なデータを、科学的にウソが無いように、あのようなビジュアルのCGとして作り上げている結果なのです。それは非常に手の込んだ作業です。

例えば、地球にとても似ている新しい惑星が見つかったとなれば、すぐさまその惑星の環境を表すリアルなビジュアルが作られます。
それは科学的根拠に基づいた、正確でリアルなイメージです。
そのイメージを見て、科学者たちはまた新たな発見をしたり仮説を思いついたりするそうです。
科学者とアーティストの間には、お互いに刺激を与え合い成長し合っていく関係があるのですね。

しかし、こうしたビジュアル作りの初期段階では、データがあまりとれず想像の部分が多かったため、両者の間には緊張があったと言います。
科学者たちは、アーティストの作る画像が過剰に人々の関心をあおる存在になってはいけないと考えていて、一方でアーティストたちは、その惑星が地球と似すぎてしまわないように細心の注意を払って製作に望みます。
ウソを入れたくない科学者と、想像の部分においては“表現”をしたいアーティスト。
人々をわくわくさせる美しい画像の裏側には、こうした密かな駆け引きが隠されていたのですね。

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父子二人展

写真家伊島薫。といえば死体を演じるモデルにハイブランドの服を着せた「最後に見た風景」シリーズ、かっこいいですよね。まず伊島薫さんの名で思い浮かぶのはこのシリーズの写真たちです。女性モデルはモデル業の人から女優、歌手までさまざま。撮影場所やその死体シーンとでも言うのでしょうか、その設定、構成もさまざまです。テーマとモチーフが怖いほどに相まって、スリリングなのに美しい、見入ってしまうシリーズです。
そんな伊島薫さん。ご子息も写真家だったんですね。
6月2日から「伊島薫・伊島薫太郎 二人展」が始まります。伊島薫さんは「虫螻(むしけら)」というシリーズの作品、薫太郎さんは「落花(らっか)」というシリーズをどちらも同名の写真集とともに額装プリント約30点ずつを展示販売するそうです。
身の回りの死んだ虫たちをリングライトを装着したデジタルコンパクトカメラの顕微鏡モードで撮影したという「虫螻」、着眼点と撮影方法が興味深いですね。
そして「落花」は花弁が落ちてく花を捉えたシリーズだそうです。どちらも死を、そして生を意識させるシリーズというのも父子二人展として面白いところですね。

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『空き家』

家を撮影するオーストリア出身の写真家、キャサリーナ・フィッツさん。
イギリスのリヴァプールやマンチェスターの家を映した写真だそうです。
しかし彼女が映し出した写真の中の家は、何か違和感を感じます。

http://www.katharinafitz.com/projects/boarded-up_houses.html

どの家も窓や扉が鉄板で塞がれてしまっており、どこからも入れなさそうになっています。
もちろん人の気配も感じません。
実はこれらはすべて、「空き家」なのだそうです。
入り口が封じられていて住居としての機能を失った建物は、さながら巨大なオブジェのようでもあります。

イギリスでは、空き家の数は60万戸あるそうで、そのうちの20万戸は半年以上も空き家の状態が続いているといいます。
ロンドンは東京よりも家賃が高いと言いますが、多くのホームレスがいる一方で、イギリス全土を見渡せば使われないままの家もまた数多くあるのです。

フィッツはそんなイギリスの住宅事情を浮き彫りにするべく、空き家だけを撮影した作品「Boarded-up Houses」を制作しました。
フィッツはまた、写真だけでなく映像も撮影していて、YOUTUBEで公開しています。
https://youtu.be/0TZg624CQ84
カメラは通りに沿って移動しながら、空き家だらけの街並みを映しています。
窓も扉もみんな塞がれてしまっている家が延々と続いていく風景には不気味さを禁じえません。

さて、イギリスの空き家は60万戸、率にすると3~4%になりますが、世界で最も人口減少がすすむ日本はどうかというと、、、何と約820万戸、14%もの住宅が空き家になっているのだそうです。
これは大変ですね。イギリスの比ではありません。
日本はどうなるのでしょうか。。。

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母の日にプリントを

5月の第二日曜日、照れなくてもお母さんに感謝ができる一年に一度の日です。
カーネーションが母の日のシンボルですが、この一年に一度の日に感謝の形としてお花以外になにをプレゼントしようか迷う人も少なくはないでしょう。
そこで写真をプリントしたものはいかがでしょう?
フィルムカメラ時代には現像したものを同時プリントするのは当たり前のことでしたが、デジタル写真になってからは、撮りためたものをアーカイブするものの実際にプリントして手に取ることや額に入れて飾ることも少なくなってきたのではないでしょうか。
SNSやメールでの写真送信や交換などは日常でもそのデジタル写真をプリントする、という行為がなんだか遠いものになっているような気がします。
家族みんなで写真を撮った一枚、旅行先の思い出としての一枚、イベントの際の記念の一枚など、母の日のプレゼントとしてプリントして贈るのはいかがでしょう。
年配の方の中にはご自分が写っている写真を敬遠する方もいらっしゃる場合には、家族の写真、お孫さんの写真、思い出の場所などのプリントも喜ばれるでしょう。
プリントを素敵な封筒に入れたり、お母さんの好みの額に入れてプレゼントするのもいいですね。
今年の母の日は5月14日です。
たくさんの写真の中からゆっくり写真選びをするのにもまだ時間がありますよ。
どこでプリントするか、どのサイズにプリントするかなど考える時間も楽しいものです。
贈る方も贈られる方も楽しい母の日のプレゼントにプリントを!

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めぐたま

写真集食堂めぐたま。ご存知ですか?
写真評論家の飯沢耕太郎さんコレクション写真集5000冊以上を手に取りながらお酒、食事を楽しめる場所です。
写真ファン、写真集ファンには願ってもない場所ですよね。
先日のピーター・バラカンさんがメインパーソナリティーを務めゲストを招いてトークを繰り広げるラジオ番組でも飯沢耕太郎さんがゲストとして興味深いトークが披露されました。
そこで語られたのは、71年のアラーキー2作目の幻の写真集「センチメンタルな旅」やくわ桑原甲子雄(くわばらきねお)さんの「東京昭和十一年」といった知る人ぞ知るレアな写真集なども所蔵していて、それらを手に取れるということです。
「飯沢耕太郎と写真集を読む」というイベントもあり、普段は講演会や作家との対談インタビューなどで飯沢さんのお話を聞く機会は限られますが、ここで飯沢さんの所蔵する写真集を見ながらご本人にご教授していただくなんて、贅沢ですねえ。
HPをチェックしてぜひ参加してみたいです。
壁一面の本棚にずらーっと並べられた写真集を見るだけでも圧巻。そしてお酒と、食事は「おうちご飯」がいただけます。
こんな写真集食堂が家のそばにあったらいいなあ。

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意外な写真家ふたりの組み合わせ

お、これはちょっと!と珍しい組み合わせの写真家二人のトークイベントが5月にあります。
といっても、お知らせではありません。なぜならばすでにイベント申し込み受付は終了しているからです。
えー!というお声が聞こえてきそうですが、それでもこちらに記したいのはその写真家が梅佳代さんと川内倫子さんのトークイベントだからです。
昨年末に「白い犬」を刊行した梅佳代さん。そして今年3月に「ナスカイ」という新作を発表。梅佳代さんらしい、梅佳代さんでなければ撮れないスタイルの写真集には、2006年のデビューからも変わることなく魅せられます。
あの梅佳代スタイルと川内倫子撮影スタイル。ちょっと面白い組み合わせのですが、「ナスカイ」の刊行記念イベントとして梅佳代さんが敬愛する先輩として川内倫子さんをゲストとしてトークイベントが決定したようです。
トークイベントのタイトルが「撮ること、見ること、作ること。写真家ふたり、私の場合」とあるように、たしかに川内さんは写真集「作り」にかけても定評があり、海外でも「写真集を作る」ことをテーマとしたワークショップも開かれています。
そんなお二人の「撮ること、見ること、作ること」のトークを聞けるのは本当に貴重なことだと思います。
イベントの受付は終了していますが、それでもこのお二人のトークが予定されている事実をお伝えします。
ちなみに「ナスカイ」とは全寮制で中高一貫男子校の那須高原海城中学校・高等学校の通称。そこに梅佳代さんが2012年から通って撮影したものが「ナスカイ」です。

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『ドローンポリス』

イギリスは意外と治安が悪く、監視カメラが至る所に設置されているそうです。
カメラの存在についてはプライバシーの問題もありますから、場所によっては賛否両論あるでしょうが、そんななか検討されているのが、空飛ぶ監視カメラの導入です。
つまりドローンを飛ばして防犯社会化しようとしているらしいのです。

現在、ドローンのプログラムを指揮する管理官を募集しているようで、人間に代わって警備隊の1チームとして正式導入するかどうかは、6ヶ月間のテストを行なって決定する予定とのこと。

そしてドローンを導入することのメリットについては、行方不明者の捜索や、野生生物の乱獲取締り、また火災発生時など、崖や森林地帯などアクセスしにくいエリアで、ドローンを使って画像や動画を撮影することで、生死に関わる情報を迅速かつ安全に入手できれば、より効率的に対処にあたることができるとしています。

実際導入が検討されているエリアでは、イギリスの他のエリアと比べれば地形的に人が入り込みにくい場所が多いそうで、ドローン隊が請け負うことになるであろう任務は、従来ヘリコプターによってされていた仕事です。
そう考えれば、ドローンは合理的かつ効率的に任務にあたれることでしょう。
しかし、住民からは不安の声があがっているのも事実です。

ただでさえ監視カメラが多いうえに、飛んで動くカメラまで導入されてしまえば、公共の場でのプライバシーというのは一層損なわれていきますからね。
また、警察内部からも懸念する声があがっていて、AIと同じで、人の仕事が奪われていくのではないかというの不安です。
まあ善良な一市民にとっては犯罪が減ってくれれば、願っても無い話ですけどね。

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極彩色ではない蜷川実花

その写真をオンラインのサイト上で見たときには、川内倫子さんの写真かな?と思ったほどです。
5月10日から10日間だけの蜷川実花さんの写真展情報がでました。
え?とおもってしまうのは、定着している蜷川さんの鮮やかでコントラストが強い写真とはおよそ対局のようなやわらかではかなくて消えて溶けてしまいそうな美しい色の写真だからです。
「うつくしい日々」とタイトルされたこの写真展は2016年5月に他界した蜷川さんの父、蜷川幸雄さんの死と向き合った日々に撮影した写真60点が展示されるそうです。
「朝起きたら信じられないくらい空が青くて、あまりにも綺麗だった。」という写真家の言葉のように近しい者のかけがえのない日々に直面した者のみだけ見える風景、同じ日常でも違う見え方が否応なくもたらされるのかもしれません。
この写真展の写真が撮影されたのは昨年の春。その一年後の同じ季節に展示されるこの写真展はかけがえのない日々を撮影した写真だからこそかけがえのない10日間だけの展示なのでしょう。
いつもと違う蜷川実花さんの写真が見れそうですが、プレスリリースの写真を見ているだけでも、ちょっと胸を押されている気分になります。
「うつくしい」が「かけがえない」もので、かけがえないものは苦しい。
5月14日には蜷川実花さんと飯沢耕太郎さんの対談もあります。
原美術館のサイトで是非チェックしてみてください。

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『サイボーグフラワー』

サイボーグと言えば、ターミネーターみたいな、半分機械で出来ている人間を指しますが、世界には「サイボーグ・フラワー」、つまり電気回路をもつ花が存在するのをご存知でしょうか。

結果から言えば、植物の光合成を利用した発電が将来的に期待できる花です。
ソーラーパネルいらずの太陽光発電が可能になるということですね。

世界初の電気植物が誕生したのは、2015年のこと。
スウェーデンにあるリンショーピング大学の研究者たちによってが開発されました。
その電気植物は合成ポリマー製のバラの花。
電気信号の伝導のほか自己組織化が可能な維管束系を構成しています。
維管束とは、水や養分の通り道となる束状の組織のこと。

現段階の技術では、茎の内部を形成するオリゴマーはすべて互いに並列に配線されていて、植物細胞で分離しているため電解質に富んだ性質になっているのだとか。
これは、電気自動車の回生協調ブレーキシステムが一時的に蓄電するのに用いられる「スーパーキャパシタ」をつくるのに重要な要素だそう。
スーパーキャパシタとは、要は短時間で多く充電できるバッテリーのことをいうのだそうです。

はるか昔から、光合成で酸素を作り出して動物の活動を手助けしてくれた植物たちは、このたび人間の未来のためにまた新たな進化を遂げそうです。
とりあえず今は鑑賞を楽しみながら未来を待つことにしましょう。

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