『グーグルのモザイク認識機能』

このたびグーグルが開発したAIは、ピクセルの粗い低画質の画像から、かなり鮮明な元の写真を再現することができるそうです。
つまり何が写っているかほとんど認識できないような人の顔や部屋を写した、モザイクみたいな画像から、元の画像を推測・再現する人工知能システムを開発したとのことです。
これは防犯などに応用できそうですね。

グーグルのAI開発チームは、今回の研究で有名人の顔写真や寝室の写真を使ってシステムをトレーニングした結果、写真の解像度を上げられるだけでなく、その処理中に「欠けている部分」を埋めることに成功しました。

このシステムでは、2種類のニューラルネットワークを組み合わせて画像を解析しているそうで、たとえば8×8ピクセルの低画質画像から、32×32ピクセルまで解像度を上げることが出来ます。
まずAIは、低解像度画像を任意の高解像度画像と比較することで、そこに写っているのが顔なのか部屋なのかを判断します。
次に、8×8画像に統計的に推測される色のピクセルを追加していきます。
それぞれのニューラルネットワークの処理が終わると、グーグルの研究者たちがその結果を組み合わせて最終画像を生成するそうです。

今後さらに研究が進めば、低解像度の写真や動画に映っているものを全自動で再現できるようなシステムが開発されると思われます。
とくに防犯カメラの不鮮明な映像に映っているものを特定するために、こうした技術が役立つかもしれないですね。

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第42回木村伊兵衛写真賞

2016年度の木村伊兵衛写真賞が決まりましたね。
受賞者は原美樹子さんに決定しました。
昨年度の受賞者川島小鳥さんは以前からも注目されていましたが、受賞後独自のスタイルがより高く評価され、ご自身の作品以外にも商業フォトグラファーとしても大人気です。
原美樹子さんの今回の受賞対象作品はThe Gould Collection出版の「Change」。
2015年に急逝した写真集コレクターChristophe Chrison氏への追悼として出版したシリーズで、「Change」はその第1冊目として写真を原美樹子さん、そして小説家のStephen Dixon氏のショートストーリーで構成。
1996年から2009年に撮影された40枚の写真、66ページの「Change」はエディションナンバーが500部というもので、この木村伊兵衛写真賞受賞後に入手困難になりそうな予感が。
The Gould CollectionのHPから「Change」の写真からも見れるように、なんとも不思議な平衡感覚といいますか、被写体との距離感とフォーカスの独特な感じで原美樹子の世界に引き込まれていくかのような感覚を味わいます。
それは原さんの撮影スタイルがノーファインダーというファインダーを覗かないで撮影する技法を用いているからなんですね。
貴重なエディションナンバーの写真集が手に入らなくても、大丈夫。受賞作品展が4月11日から新宿ニコンサロンで、そして5月4日から大阪ニコンサロンで開催されます。
じっくり観てみたいですね。

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『写真のミニチュア化』

アメリカ同時多発テロやジョン・F・ケネディ暗殺など、世界中の誰もが知っているシーンをとらえた写真を、精密なミニチュアで再現するという、ユニークなプロジェクトがスイス出身の2人組アーティストによって行なわれています。

http://www.ohnetitel.ch

プロジェクトはまず人々の意識に最も深く焼きついている写真を集めることから始まりました。
ヒンデンブルク号爆発事故、世界貿易センターを攻撃したアメリカ同時多発テロ事件、タイタニック号など。
そして2人は段ボールやプラスティック等を使い、それぞれのシーンをミニチュアで丹念に再現していきます。
これはとても時間がかかる作業で、数日を要する作品もあれば数週間かかるものもあるそうです。

彼らはこれらの作品を「Iconen」と呼んでいます。
どの写真も、写真家や一般の鑑賞者が見ればそれが何のシーンかすぐに分かります。

ミニチュア模型を撮影し、最終的な作品が出来上がります。
本物ではなく「模型」であることを気付かせるためでしょうか、写真には粘着テープやグルーガンなど、時にはスタジオの一部や使用した素材が写り込んでしまっています。

この作品は自分達が楽しむために継続されています。
2人は天安門広場のシーンをつくるために、戦車の模型を7つ購入し、1週間かけて組み立てたましたが、すぐに限界を感じ、「楽しくなくなり」、製作作業を止めたそうです。
7台中3台の戦車は、撮影後の編集で複製されました。

最新の作品はジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を再現した写真。
人のミニチュアをつくるのは難しいそうです。
この象徴的な写真はピントが合っておらず、細部の作り込みの荒さがごまかされています。
でも、3Dプリンターもあるこの時代、あえて手作業でつくられたミニチュアは遊び心に満ち溢れていてユニークです。

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ソール・ライター展

以前にソール・ライターについてお話ししたのは日本では2015年に公開されたドキュメンタリー映画についてでした。
1950年代から第一線でファッションフォトグラファーとして活躍していた写真家が世間から姿を消して、自らの制作活動のためにその後を捧げた彼の作品は、物を見る視点から、目の前の光景をカメラで捉える構図まで斬新で新鮮な独自なもので、2006年にドイツのシュタイデル社から出版された作品集で一気に注目を浴びました。彼のスタイルが改めて世界から評価されたのが83歳。
2012年にドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」が撮影され、2013年に90歳手前で旅立ちました。
それから時を置いて、4月の29日から日本では初となるソール・ライターの回顧展が開催されます。
ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力のもと、財団所有のモノクロ、カラー写真の他に絵画作品や資料が公開されるそうです。
鮮やかな色彩、大胆で綿密な構図。見た瞬間にはっとさせられる彼の作品に惹かれたら、ぜひ足を運びたい貴重な展覧会です。
期日は4月29日から6月25日、場所はBunkamura ザ・ミュージアムです。
ちなみに同ミュージアムで4月15日まで開催されている展覧会は、昨年日本画の素晴らしさを改めて知らしめた若冲ブームを経て浮世絵師、日本画家の河鍋暁斎の展覧会が催されています。
Bunkamura ならではの企画力が素晴らしいですよね。

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『シンプルライト』

クラウドファンディング・サイト「Kickstarter」に登場したLEDランプが、目標をはるかに超える39万ユーロ(4,680万円)近くを集め話題になっています。

たいていの照明は、「スイッチをオンにする」か「つまみを回す」かで点灯しますが、このLEDランプ「Heng Balance Lamp」の点灯方法は少し変わっています。

ランプの構造はとてもシンプルで、木製のフレームと、そこに埋め込まれた細長いライトがあり、ボール2個がそれぞれ紐で枠にくっついています。
木枠に置いてある下のボールを持ち上げて、ぶらさがっている上のボールに近づけるとライトがつく仕組みだ。

昔の電灯は紐を引っ張って点灯したものですが、このランプの場合、紐を持ち上げて点灯します。
2個のボールが近づくと、ボール内部の磁石が引き合い、下のボールは宙に浮いたままとなる。
つまり電気をつけると2個のボールが宙に浮いて、ボールを離すと消えます。

このランプをデザインしたのは中国人デザイナーのリー・ザン・ウェン氏。
使用素材は木と磁石のみ。
曲線を描いた木製のフレーム内にセンサーが隠されているわけではなく、人間の手でなくては点灯できないというシンプルさは、現代ではかえって珍しく斬新なのでしょうね。
Kickstarterで、44ユーロ(約5,280円)を支援すると購入できますが、目標1万ユーロのところ、すでに39万ユーロ(4,680万円)近く購入希望者がいるようです。バカ売れですね。

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『LEDヨーヨー』

ヨーヨーは昔からあるオモチャですが、一昔前に「ハイパーヨーヨー」として再び一世を風靡しましたね。
そんなヨーヨーがさらにもう一段階進化したとのこと。
それはIoT化です。
新世代のヨーヨー「7-Magic」は目も眩む明るさを放つLEDを片面21個搭載し、音楽に合わせて七色を自由に光らせることができるのだそうです。

動画でパフォーマンスを繰り広げているのは世界王者を2回獲得し、シルク・ドゥ・ソレイユのヨーヨーを用いたパフォーマーを努めるBLACKさん。

LEDの制御のため、Bluetooth搭載IoTモジュール「BlueNinja」が片面に1枚ずつ仕込まれています。
軽量小型化をはかり、さらに回転に影響を及ぼさないように重量バランスにもこだわり、好みに応じて装着可能なバランサーまで同梱されています。

この「7-Magic」はヨーヨーパフォーマーのBLACKさんが持ち込んで、セレボ社が共同開発した製品だそうです。
夜空の中で光り輝くヨーヨーパフォーマンスはすべての人の目を惹きつけそうです。

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料理家の料理と写真

最近ツイッター上でよく見る本の表紙写真、「野菜」。
料理家、細川亜衣さんの新刊で、旬の野菜50種の料理レシピ本です。
知る人ぞ知る料理家、細野亜衣さんは熊本在住で料理会や料理教室、お茶会など開催しその度に予約がすぐに埋まってしまうという人気料理家です。
「野菜」の中の写真は熊本で一年を通して写真家の在本彌生さんが撮影。
人気の料理家さんとあって、新刊を待っていた人たちの期待がツイッターから伝わってくるようです。
料理が好きな方はもちろん、普段からご自分の料理を写真で納めている方にとっても楽しめる一冊でしょう。一人の料理家に一人の写真家が撮影した料理の数々、美しい彩りの野菜を美しい光で、そして何よりも美味しい料理が美味しそうに写るその一枚一枚を写真とともに楽しめそうなレピシ本です。
細川さんのインスタグラムもおすすめです。約15000人フォロワーのインスタグラムでは、お料理はもちろん、食卓風景、生けた花々、家族の様子など、ほっこりできる写真が満載です。ご主人が陶芸家でもあり、そのため料理とともに写っている器にも注目です。
ちなみにご主人の父上は93-94年に内閣総理大臣を務めた細川護煕氏です。
細川氏も今は陶芸家、画家の一面でもご活躍ですよね。

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「もうひとつの風景」

砂丘を自在にスタジオのようにして写真撮影を演出した写真家として有名な植田正治氏の作品集「植田正治作品集」が河出書房新社からの出版記念としてヨーロッパ旅行で撮影された「音のない記憶」の作品を取り上げた写真展「もうひとつの風景」が開催されます。
時代を感じさせない鮮烈で、斬新な構図とポーズ。植田調と呼ばれる独自のアイデアと演出で知られていますが、ヨーロッパでの旅行中撮影された「音のない記憶」シリーズはストリートフォトと言えそうな作品で、アンリ・カルティエ=ブレッソンのようなスナップと自然に演出されたようなマジックさがうかがえます。演出がなくとも植田氏の手にかかると程よく不思議さが調和されたような写真にみえてきます。
展示内容はオリジナルゼラチンシルバープリントが約20点。会期は3月8日から4月8日。場所は赤坂のBooks and Modernです。
ギャラリー入場は無料ですが、3月11日と4月1日にはそれぞれ金子隆一氏、飯沢耕太郎氏によるトークイベントがあります。トークイベントは参加費要です。
ギャラリーではオリジナルカレンダーから、書籍、オリジナルグッズの販売もあるようです。
植田正治ファンにはもちろんのこと、写真を勉強している学生さん、写真好きの方々にお勧めしたい、じっくり堪能したい写真展ですね。

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『Stacked』

ベルリンにはブロックを積み上げてつくったような形のビルが数多く建っています。
それぞれ色や形にバリエーションはあるものの、どこか画一的で退屈な印象を受けます。

ベルリン在住のフォトグラファー、マルテ・ブランデンブルクはこれらの建物を撮影し、「Stacked」という作品集をつくり上げました。
なるべくフラットに見えるように建物から距離をとり、雲が写り込まないよう明るく晴れた日を狙って撮影したとのことで、たしかに写真だけ見ると、抽象的な絵画のように見えます。
意外なことに、画像処理はほとんど施していないそうです。

これらの建物の多くは戦後に建てられ、中流階級の人々にモダンで手頃な価格の住まいを提供してきました。
こうした状況は、戦後日本に大量供給された住宅団地に似ています。
しかし日本同様、時代の移り変わりにより段々この住宅から人々は立ち去って、郊外に一軒家を建てたり、都市部の歴史ある建築の中をリフォームして住むようになりました。
一方、この建物は経済的・社会的に負担を強いられている人々が住むものというイメージがついてしまいました。

戦後の住宅不足に対応するため、短期間に政府によるトップダウンの計画によって建てられたことで、一時は多くの人々に住居を与えてきたものの、供給が行き渡った現在では、むしろ品質の悪い、醜いコンクリートブロックの塊とみなされてしまっているのです。
しかし、こうした建物と伝統的な建物が混在していることが、ベルリンらしい景色と言えるのかもしれません。

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『スティーヴ』

「スティーヴ」と名付けられた大気現象があります。
狼煙のようなオーロラのような、摩訶不思議な現象で未だに正式な科学名や詳細がないそうです。
https://youtu.be/tH7bVlGNjWU

この動画は去年、オーロラ鑑賞グループによって撮影されました。
Facebook上では、あっという間に50名以上の目撃情報が集まったそうです。

この紫と緑のリボンのような姿は、オーロラのようでオーロラとは形状や色が異なっていて、仮にオーロラだとすれば何故このような形をしているのかはわかっていないそうです。
とりあえず、この不思議な光のリボンには「スティーブ」という名前が与えられています。
現在ではNASAや欧州宇宙機関、大学の研究者たちがスティーヴの解明に乗り出しているそうです。

目撃情報によれば、カナダのカルガリーで現れたスティーヴは、25~30kmくらいの幅で、長さはその100倍くらいの可能性があるとのことです。
出現してから1時間程度は形を保ったのち消えていきます。
出現時期は冬で、色は紫が多く、緑ののものもあるようです。
最初はプロトン(陽子)の一種か何かだと思われていたそうですが、プロトンオーロラは裸眼では見えません。
今のところ、正体不明の現象です。

そして先日、ESAの地磁気観測衛星がこのスティーヴを観測したところ、地上から高度300km地点の温度が3,000度まで一気に上昇していたそうです。
燃えているということでしょうか。謎が謎を呼びますね。

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