赤目軽減

以前にも暗い場所での人物撮影、スナップ、記念ショット撮影などで赤目について触れたかと思います。
暗い場所では人の目の瞳孔が開いて、その目の毛細血管が光に反射して赤く写り込んでしまうという現象。そう説明されると面白いなあと改めて思います。

さて、そんな赤目軽減のために前回お話ししたシーンモードにもカメラによっては赤目軽減モードがあるほど。つまりは撮影前にフラッシュを何度かたき、それによって瞳孔を絞り赤くならない方法です。ただこのモード、フラッシュが何度かたかれるので、撮影される側にすると撮影のタイミングが分かりづらいといったことやフラッシュがまぶしくてシャッターチャンスがうまくとれないといったこともあります。

こんな際には赤めになりがちな人や、一度撮影して赤めになる人などは、実際撮影する前に一秒ほど蛍光灯を見てもらうと瞳孔が絞られます。こんなふうにアナログな方法でも赤目軽減ができますよ。撮影用品はライトグラフィカ

シーンモード

一眼レフカメラに、そしてコンパクトデジタルカメラにもシーンモード表示がありますね。被写体のモードに設置すると、撮りたい被写体に適切な効果を得られて撮影できるというもの。

さて、どんなモードがあるかみていきましょう。
ポートレートモード
人物写真の際には、背景と人物の距離をとって絞りを開き気味にした、いわゆるボケ効果を演出にした撮影方法を基本的にするため、このモードを設定するということは、ピントを置く部分と背景には被写界深度が浅めに設定するということになります。

マクロモード
それぞれのデジタルカメラの機能(レンズ機能)によりますが、被写体に近づいて撮影できるモードなので、距離が適切でないとピントがうまく合わない、ということも。

風景モード
ピント設定がすでに遠くに置かれているのが特徴です。遠くの風景をピントを合わせて撮影するために、明るさによってはシャッタースピードが自動的に遅くなるので、手ぶれ防止のため、三脚使用が望ましいモードです。

このほかにテクニカル的なシャッタースピード優先、絞り優先、露出優先などのモード切り替えもありますね。撮影照明の専門店

測光方法

一般的にデジタルカメラには、名称が違ったとしても大体3種類の測光方法があります。1.分割測光(マルチパターン測光)、2.中央重点測光、3.スポット測光といったところ。
1.分割測光(マルチパターン測光)は、カメラ自体が露出補正を行う方式で、画面に構図された全面から分割して、それぞれの明かりを算出して適切と思われる露出を決定するというものです。
2.中央重点測光は、その名の通り、被写体は画面の中央にあるという前提のもと算出される露出方法。
3.スポット測光は画面の中央のごく狭い範囲だけを測光する方法で、撮影者自身がどの明るさで表現したいか、その部分を測光できるという利点があります。
それぞれどの測光方法にも利点や、使い方を理解していないとデメリットもあります。

オートモードなどやシャッタースピードの速さが必要な場合など、分割測光(マルチパターン測光)を利用するのも便利ですし、また例えば人物の逆光撮影の際には、スポット測光を使うと、被写体と背景の明暗差が大きくても、被写体に対して露出補正をするので人物が暗くならない、といった便利な方法もあります。

同じ被写体を3つの測光モードで撮影してみると、その違いを確認でき、実際の撮影の際に役立つでしょう。撮影照明機材、ストロボ

天トレ

前回の高さのある被写体撮影の照明セッティングについてお話しした際に
でてきた「天トレ」をもう少し詳しく見てきましょう。

基本の「天トレ」セッティングはシンプルなゆえに簡単。一般的には被写体を上から撮る、テーブルトップ撮影に多用されるライティングです。
一灯のメインライトを上からかざし、天トレをライトと被写体の間に置きます。テーブル、天トレ、一灯ライトというセッティング順序なので限られたスペースでも組み立てやすいのも利点のひとつです。
そのため、料理撮影などでも多用される照明方法ですね。

被写体全体に光を与えて、拡散面が広いために艶や反射する素材の撮影にも写り込みを防げるという効果も狙えます。ただ、一灯のみの天トレ撮影は、いささか単調で動きのない写真に仕上がりがち。数多いカタログ撮影などの場合には、すばやく多いカットをこなすのに便利ですが、被写体の特徴やオリジナル性を出すには、もう一灯足したり、レフ板などで補助光を添えたりするといいでしょう。

例に挙げた料理撮影などでは、つや、みずみずしさ、立体感などシズル感を演出するために、ハイライトをつけたり、そしてどこにハイライトを持ってくるかなどを試行しながら天トレ撮影を活かしてみてください。撮影照明 新宿

光の硬さ、柔らかさ

光の硬さ、柔らかさって何でしょう?
感覚の表現は人それぞれなので、捉え方が難しいですよね。
光で硬い、柔らかいといってもなかなかどんなものなのか分かりづらいかもしれませんが、コントラスに置き換えると想像しやすいかもしれません。

照明撮影機材のセッティングでストロボとトレーシングペーパーの距離によって、被写体に当たる照明のその光は、硬くも柔らかくもなります。ストロボとトレーシングペーパーが近いと被写体と影のコントラスが強くなり、いわゆる硬い光となります。一方、ストロボとトレーシングペーパーの距離を開けると被写体と全体にあたる照明が柔らかくなり、影のコントラストも緩やかです。これを光が柔らかいといいます。

もちろんストロボから直接被写体に照明をあてると、強すぎて被写体と背景とのバランスもうまくいきませんね。そのため間接照明やトレーシングペーパー、レフ板などで補助していきます。同じ光量でも補助の仕方、角度、高さによっても光の表情は変わっていきます。

照明機材を基本的なものを揃えれば、限られた機材なりにもやり方を工夫し、被写体に合ったいろいろな光を作り出せることも可能です。
演出する楽しみを味わいながら、是非!
撮影照明の専門店、新宿ショールーム

フィルムとデジタル

今日のデジタルカメラでは一眼レフのみではなく、コンパクトデジタルカメラでもRAW形式の撮影ができるものも多く出回るようになりました。
さて、RAWとは?一般的に使われるJPGとはどうちがうのでしょうか?
文字通り「生」を示すRAW形式は撮影後に編集できるデータということ、またその分メモリー数も多いことから、画質そのものがいいと理解し、どんな撮影にもRAWで撮影するということをききますが、JPGとの違いを理解して撮影によって使い分けましょう。

繰り返しますが、RAWは未加工のままのデータで、最終的な画像を決めるすべての要素が含まれている状態です。つまりはRAWで撮影して、その後メモリー数も軽いJPG画像に処理することもできるのです。もちろんその逆は不可能になります。
これまでのフィルム撮影に置き換えて例にしてみると、撮影するフィルムそのものがRAWで、フィルムから写真としてプリントしたものがJPG画像とたとえられるかもしれません。
フィルムの保存がよければそのフィルムから同じ画質のプリントができるのも、RAWデータは同様なことがいえます。RAWには色調からホワイトバランス、彩度やコントラストなどを調整したからフォーマットを決めて画像にできるのです。JPGのように一般的な画質から、TIFなどの画質の高い形式にもできるのです。

万能に思えるRAWデータですが、デメリットとしてはそのファイルの容量です。メーカーやモデルにもよりますが容量が大きい分、撮影できる枚数がJPG撮影より1/4前後違ってきます。
撮影によってRAWかJPGか使い分けるのはこのためです。保存すべき写真や撮影後に編集が必要ない場合にはJPG撮影で十分、そしてもちろん特別な撮影などにはRAW撮影が有効ということです。
撮影照明

ISO感度について

普段普通に使っているISOとは何?
ISOとは銀塩カメラの頃からのネガフィルム、カラーフィルム、カラーリバーサルフィルムのそれぞれに対して定められた測定法に基づいたフィルム感度表示です。デジタル一眼レフカメラでも同じようにISO感度を設置し、必要なシャッタースピード、撮影環境に合わせて調整します。

例えばISO感度100で撮影していたものを、400に変えることによって同じ露出で4倍速いシャッタースピードで撮影できるということです。
つまりは、速さを必要とする動物写真や、スポーツ写真など、また感度が必要となるくらい場所での撮影にはISO感度を高めに設置することにより撮影設定を調整することができるのです。

フィルムを購入する際にはISOが高いフィルムほど値段が高くなるので、ISOが高ければ高いほど画質がよい、つまりきめの細かい画像になると勘違いする場合があるようですが、その意味で言うと反対で、ISOが上がれば、粒子が粗くなって解像度が下がります。しかし高感度のため、暗い場所でもブレを防ぐシャッタースピードで撮影できるというわけです。

光が充分にある場合は、なるべくISOを低くして撮影するのが望ましいというわけです。

ちなみにASA感度というのもISO感度と同様で、アメリカ規格です。ヨーロッパでは一般的にISO感度の方が使われています。
商品撮影機材

アングルを変える

前回お話しした「構図」にひき続き、今日はアングルについてみていきましょう。
写真撮影する際に、構図を決めていくことが主張したいこと、表現方法なのに直接関係していきます。さて、構図を考える時に大きなヒントになるのは、撮影アングルを変えることです。

ブツ撮りにしても、正面からまたは真上からセッティングしてとることが多いですが、被写体の印象を変える効果として、アングルを変えることが非常に有効です。左右の方向を変えるだけで被写体によっては見方が随分変わりますし、またアングルとともに目線の高さも工夫してみるといいでしょう。

ブツ撮りだけでなく、これはもちろん人物撮影でも大きく作用します。
人物撮影の場合、撮影するアングル、目線の高さがそのモデルと写真を見る側との距離感そのものに置き換えられます。例えば、上から見下ろした撮影方法をとると文字通り威圧した感じや上から見下ろした目線になり、一方下から撮影した場合には迫力が増したりといった感じです。こどもの撮影の際には、不意な仕草などをとらえるためにアングルを変えたり、そして目線の高さを合わせることがこどもの豊かな表情を引き出せることにもなります。

配置、アングル、高さなどを組み合わせていくことにより、狙った表現方法と、意図したい見せ方が実現できるようになるでしょう。
マニュアルはあくまでもマニュアルとして、試行を重ねて自分らしい表現方法を見いだしてみてください。
商品撮影照明

写真でも動画でも

何度か取り上げてきた構図の作り方。
被写体を真ん中に持ってきてしまう「日の丸構図」と反して、画面の縦と横それぞれ三分割して線が交わる点に主被写体を置く、「黄金分割」があることは、前にもお話ししましたね。

構図の取り方によって、被写体の印象を大きく変えることができるため、構図の取り方ひとつで、撮影初心者であっても撮影の「うまさ」を表現できる大きなポイントなのです。

主張したい商品、主役である人物、強調したいモノなど、それをそのまま真ん中に持ってくるのではなく、黄金分割のように、四隅のどちらかに寄せて構図を決めていく。またはF値を開放近くに開けて、被写体の前後にボケを強調して写し込む、などといったこれらのテクニックは、いわゆる「写真は引き算」といわれるように、すべてを写し込まない、余計な要素を削ぎ取っていく、まはた被写体の周りに多くのものがある場合は、それをボケを利用して主役を引き出す。といったことにつながります。

この構図の作り方、実は写真でも動画にも言えることなのです。「見せ方」はあらゆるところで目にします。例えばスポーツ番組でも、伝えるという純粋な面からではアスリートの表情を真っ向から写す撮り方もあれば、「見せる」場面では、写真と同様「黄金分割」が使われることがあります。つまり、写すべき被写体よりも背景の方が多く面積を占める画面に仕上がります。背景の面積が多く占めたとしても、被写体が真ん中にあるか、それとも三分割した交差した点に配置するかによって随分印象が変わります。こんな風に、写真だけでなく、動画でも構図の取り方が共通することがあります。撮影ストロボ機材

黒がひきたつ

以前ディフューザー、レフ板のテーマの際に黒色のそれについてお話したことがあります。今回はこの黒ディフューザー、レフ板をメインに見てみます。

一般的にディフューザーやレフ板と言えば「白」、または「グレー」ですね。
光の足りない部分、つまり被写体の影になる部分に補助光としてディフューザー、レフ板を使うことがよくあります。それを黒に置き換えることによって光を補助し加えるのではなく、光をおさえて被写体に影をつくることが絶妙なライティングテクニックとして用いられることがあります。

今回は黒レフ板について考えてみましょう。
白背景に、色のないグラスや白い被写体を撮影するとします。ライディングすることに被写体の透明感は増し、ゆえに被写体のラインが曖昧になりがちです。
そこで登場するのが黒レフ板。照明によって被写体に入り込む光を減らし、シャドーラインをつくります。それによってコントラストを利用して立体感を作り出します。
この様式の撮影を、黒レフ板ありとなしでぜひ試していただきたい。
立体感とリアル感の差がくっきりと映し出されます。
次回は黒ディフューザーです。白を貴重にしたブツ撮りには必読です!
撮影機材のライトグラフィカ