ソール・ライター

ヴィヴィアン・マイヤーに続き、またまた素晴らしい写真家のドキュメンタリー映画が公開されます。
1950年代に「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」などの表紙も飾りファッション写真で活躍していた写真家、ソール・ライター。印象的な名前の写真家が活躍の度合いに比べて知られていなかったのは、80年代になると突如商業写真の世界から去ったからです。
ドキュメンタリー映画の中で「有名人を撮るよりも雨に濡れた窓を撮る方が私には興味深いんだ」「人生で大切なことは、何を手に入れるんじかじゃない。何を捨てるかということだ」と語るソール・ライターはその通り、写真本来の芸術性ではなく商業写真の資本主義に重きをおくようになった舞台から去り、2006年にドイツのシュタイデル社から発表された写真集をきっかけに一気に注目されるようになりました。その注目度は2008年にはアンリ・カルティエ=ブレッソン財団で個展が開かれたほど。
シュタイデル社から発行された写真集「Early Color」はなんと彼の初の写真集とのこと。
ファッション誌時代の写真も美しいのはもちろんですが、その後彼が街で撮り続けた写真の斬新なフレーミング、切り方など、衝撃を持つほどの美しさ。
フォトグラファーのみならず、デザイン、建築あらゆるアートに関わるものが彼の構図や色彩から学ぶことは多くありそうです。

撮影機材・LED照明の専門店

『グラデーションズ』

西新宿のICCにて、空と山などの曖昧な変化を、LED照明で再現する、田中健司の新作
インスタレーション「グラデーションズ」が公開中です。

田中健司氏は、2004年からプロジェクション・マッピング作品の制作を開始し、場所
の空間や歴史背景を取り入れた作品を多数制作しているメディアアーティスト。

「グラデーションズ」とは、空と山そして雲の変化を記録した映像から、その色を
LED照明によって再現し、日光浴をしている時のような感覚を呼び起こす環境的なイ
ンスタレーションです。

空間を進んでいくにつれ変化する風景に伴って、うつろいゆく光や影のグラデーショ
ン、音楽に包まれつつ、空の色の微妙な変化といった、日常的に感じていながらあま
り意識されていないものの美を考えさせられます。

ゆっくりと変化する空の映像と同調させるため、4,096段階に対応させたコントロー
ラーがこの作品のために開発され、LED照明を制御しています。

最近耳にする、メディアアート。
これは20世紀中盤より生まれたアートで、ビデオやコンピュータ技術をはじめとする
新技術に触発され生まれた美術です。
技術が進歩するにつれ、今後も新しいアートが生まれるんでしょうね。

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『第三次植物工場ブーム』

低コストで効率よく光を産み出せるLED。
そのLEDの恩恵にあずかり、「植物工場」がブームになりました。

今から6年程前、「第三次植物工場ブーム」が始まったと言われています。
効率良く野菜生産ができる上、栄養価も高いと注目され、大規模なLED照明採用の植
物工場が次々と誕生しました。

太陽光の代わりに、LEDの光を当てて植物を育てる「植物工場」。
種まきから収穫までの生産工程が、工場的に管理されます。
すると、栄養成分や形・大きさ・重さなど、野菜の品質・規格を一定にすることが可
能なんだそうです。

土壌や空気を介した雑菌汚染が少ないため、無理のない無農薬栽培が可能で、傷みや
品質低下が軽減されるので、「収穫後の日持ちが良い」「水で洗わずに食べられる」
といった付加価値がつきます。

しかし現在、企業のうち60~70%が高コストなどによる赤字であり、撤退や倒産が相
次いでいるというのです。

いいこと尽くしなのに、なぜ?と思うのですが、植物はやっぱり生き物なので、工業
製品のように、すべてを施設や設備任せにはできず、日々観察し、微調整を行い、対
応する必要があります。
よって、植物の基礎的および体系的な知識が不足しているのに、ビジネス的にブーム
に乗って工場をつくってしまったということが大きな原因のようです。

ただ、LED照明をつかった栽培行為自体は、宇宙産業からも注目されているようで
す。
2015年には国際宇宙ステーションに暮らす宇宙飛行士たちもLED照明をつかって植物
を栽培し、食べていたというのだから、今後はそういった分野での発展も期待できそ
うですね。

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少女と動物

今回お話しする動物写真は、動物といっても前回お話しした猫や犬といった身近な動物ではなくて、日常触れ合うことがほとんどない動物、トラやゾウ、猿やカンガルーとともに親しげしている少女との写真です。
Apertureから発行された写真集、「AMELIA&the ANIMALS(アメリアと動物たち)」は動物写真家のRobin Schwartzさんが娘さんアメリアちゃんと動物たちとの時間を撮影したもので、2002年から現在も継続中のシリーズです。
現在アメリアちゃんは15歳、アメリアさんと言いたくなるほど大人びた少女になりましたが、撮影開始時は3歳でした。小さい頃から多くの動物たちと暮らし慣れているアメリアちゃんは、どんな動物とも触れ合い、まるで意思疎通ができるかのようなシーンが写真に収められています。
これはぜひリンクしましたRobin SchwartzさんHPの「Amelia and the Animals 2002-2015」をクリックして写真を見ていただきたい!
へ?と驚いてしまう写真の数々。トラの赤ちゃんにミルクをあげたり、チンパンジーとの抱擁、ゾウの鼻でブランコ、エミューの頭を撫でたり、などなど。
いやあ、本当に面白い写真の数々、アメリアちゃんは何か不思議な力を持っているのか、それとも純粋ゆえに動物に警戒心を抱かせないのか。
アメリアちゃんもすごいけれど、その能力を自覚して撮影し続けているロビンさんの視点もすごい。

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『ニコンの“望遠鏡”COOLPIX P900』

今年3月の発売以来、品薄状態が続いているという、ニコン「COOLPIX P900」。
どんなものかと思いきや、面白い動画を見つけましたので、紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=mfshAzV0FN4

光学83倍ズーム・1605万画素で撮影したという月の映像ですが、クレーターの形がハッキリ見て取れて、これはちょっとした“天体望遠鏡”ですね。

少々ゴツくてでかいボディを持つ超高倍率ズーム機自体、近年ではあまり珍しくありません。
毎年、50倍とか60倍のコンパクトデジカメは各社から出ていますが、ニコンは一気にドンッと来ました。
何しろ、望遠端が35mm判フィルム換算で2000ミリで、83倍ですから。
肉眼では全く見えないものでも超クッキリ撮れちゃいます。

レンズの明るさはF2.8からF6.5。
この超高倍率で広角端でF2.8を確保し、2000ミリ相当でもF6.5にとどめています。

さすがに目一杯望遠にするとミル貝みたいな長ーい鏡胴が出てきて、コンデジの割に巨大なカメラになりますが、ボディは他社の廉価な高倍率ズーム機に比べるとしっかり作ってあり、やっぱり「P」シリーズを名乗るだけありますね。

撮影モードはオートのほか、PASMの各マニュアル系モード、デジタルエフェクトモード、夜景モードや風景モード、さらにシーンモードが用意されています。
特にシーンモードの「月」と「鳥」は要注目。
普通のカメラにはないモードです。
「P900」は月と鳥を撮るカメラだと言っているかのようですね。

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ねこ写真展

身近な動物、猫や犬はいつの時代も愛されていますが、最近特に犬猫写真の人気が目立ちます。
そして近日「質・量ともに史上最大規模の猫の写真展」というコンセプトの展示会が横浜赤レンガ倉庫で開かれます。
その規模は出展者数44組70名、総作品数点約1000点というもの。
「今を生きる猫たちのキロク・キオク」というサブタイトルがついたこの猫の写真展は、飼い猫というよりはいわゆる「野良猫」を中心に撮影された作品が並び、確かに最近ではめっきり少なくなった野良猫たちの一瞬一瞬に見入ってしまいそうです。
広大な展示スペースを一週間貸切し、企画展示会とともに、作品や雑貨の販売からトークショーまで行われ、猫好きにはたまらない写真展になりそうです。
会期は11月17日から23日、会場は横浜赤レンガ倉庫1号館2階。
鑑賞後には触発されて「ネコフォトグラファー」が増えるかもしれません。

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『紅葉写真』

今年も紅葉の季節がやってきました。
本当に心が洗われるような美しさがありますよね。

都内で最も有名な紅葉スポットのひとつに、神宮外苑イチョウ並木があげられます。
約300m続く街道の両側には、146本ものイチョウが立ち並んでいます。

このイチョウたちは、奥に立つ聖徳記念絵画館との景観美を計算し、青山通り口から
樹高の高い順に植えられているのです。
そうすることで遠近感が強調され、まるで絵画のように美しい光景が。

映画やドラマにも度々登場するので、行ったことはなくてもテレビなんかで観たこと
がある人も多いのではないでしょうか。
紅葉シーズン中は「いちょう祭り」が開催されていて、噴水を中心に周辺に屋台が並
び、かなりの人で賑わいます。

美しいものほど写真が映えるのですが、紅葉はちょっとコツがいるんですね。
特にイチョウのような黄色い葉は、のっぺりと立体感のない写真になりやすいんで
す。

夕方のような光が斜めからさすような時間帯を狙い、光と影で立体感を演出し、ホワ
イトバランス「曇天」に設定すると、色が濃く強調されます。
また、プラス補正で明るく撮るとイチョウらしい写真が撮ることができますよ。
季節の自然を被写体にするのは、難しいですけど気持ち良いものですね。

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『ミクロの世界』

今年で41階目を迎えるという、2015年ニコン顕微鏡写真コンテスト「スモールワールド」の入賞作品が発表されました。

今年のコンテストには83カ国から2000点以上の作品が集まったそうで、肉眼では決してみることのできない世界が見れます。
科学と芸術の融合という感じがして、神秘的で美しいような、気持ち悪いような。。。

入賞者及び参加者の写真を閲覧できる公式サイトがあります。

http://www.nikonsmallworld.com/galleries/photo/2015-photomicrography-competition

今年の優勝作品は、ミツバチの目にタンポポの花粉がいっぱい付いている顕微鏡写真。
言われなきゃ何だか分からないですね。
でも分かりたくないような気もします。。。ミツバチの目玉か。。。

この写真を撮影したオーストラリア出身の写真家、ラルフ・グリム氏は、小さな生き物を取り上げることで、人々に環境問題に興味を持ってもらいたいとの想いがあるそうです。

この写真を撮影するために4時間以上もかけて、注意深くセットをし、焦点を調整し、美しい画面を表現するために十分な光をミツバチに当てたそうです。

技術と熱い想い、周到さがあって、この神秘的な写真を生み出したんですね。

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モデルの力

年を重ねるにつれ美しくなる女性、素敵ですよね。
古今東西そんな女性達が常に注目されますが、今の日本では、最近さらに美しさが輝いている宮沢りえさんが挙げられるでしょうか。
本職の女優として舞台、テレビでも活躍ですが、ひとたび写真の被写体となると、その彼女の美しさは老若男女目を奪われるほど。
雑誌SWITCH最新号の前号では繰上和美氏の撮影で表紙を飾っています。夏にはHarper’s BAZZAR の日本版にて、ヴァレンティノのオートクチュールを着た宮沢りえさんの撮りおろしが掲載されました。
それはそれは、息を呑むような美しさ。男でも女でもしばらくその場で焦燥してしまいそうなほど。
Harper’s BAZZAR日本版での撮影時には、宮沢さん自身も率先して打ち合わせ、撮影準備に参加されたそうです。そうやってヘアメイクやカメラマン、撮影スタッフとともにシューティングを作っていったんですね。
モデルとの撮影現場では、チームとしてスタッフとともに作りあげようとする空気感、まさにコラボレーションという共同作業が写真として表面に出てくる差を生みます。
宮沢さんの撮影秘話や、メイキングムービーが、彼女の仕事に対するプロフェッショナルな考え方が伝わってくるようです。
SWICHでの繰上さんの撮影も本当にかっこいい!繰上和美だからこそだ、と読者の方も思われたでしょう。でも色々な写真家が言いますよね、モデルが90%だって。
そう、もちろん写真家もすごいんですが、モデルもすごいってことですよね。
最近の宮沢りえさんの写真を見て実感した「モデルの力」というおはなしでした。

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アルマーニ支援のプロジェクト

ファッションデザイナーの長のひとり、ジョルジョ・アルマーニ。
デザイナーになっていなかったら映画監督になりたかったというアルマーニが、昨年2014年から始めた支援プロジェクトがあります。
「Films of City Frames」という名のプロジェクトは、世界の映画スクール(フィルムスクール)の学生たちを、ショートフィルム制作を通して支援していくというもの。
昨年は5国、6都市のフィルムスクール、そして今年2015年はイタリアのトリノ、ブラジルのサンパウロ、オーストラリアのシドニー、韓国のソウルの国際フィルムスクールの生徒の作品が発表されました。
実生活のヒントから日常生活の日々の現実と戦う人々の目と感情をテーマに作られ、それぞれのショートフィルムではジョルジョ・アルマーニのアイウエアコレクションを鍵とするというもの。
結局は自身のブランドの宣伝につながるのか、、とおもいがちですが、非営利団体活動ではないですものね、文化芸術貢献をとおしてビジネスと社会の接点をつくるところが一流ブランドのなせる技です。
映画監督になりたかったというアルマーニ氏、実際に多くの映画の衣装を手がけています。
ファッションと映画、つながるところは多様にあります。こういった支援によって、若い世代、学生さんたちが活動の機会やきっかけ、目標などを持てることができるのは素晴らしいですよね。

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