夏といえば日本の風物詩を感じる季節でもあります。
うちわと蚊取り線香、夏祭りと夜店、花火と浴衣、と私たちの文化風習に密着したものがこどもの頃から受け継がれていて、この時期にそれを目にして実感する季節といえるかもしれません。
さて、花火や花火大会の撮影については何度か触れてきましたが、今日は浴衣の撮影についてみてみましょう。
浴衣は夏物、もしも浴衣を着る機会があっても年にそう何度もありません。
ぜひ思い出としても、そして商品撮影としても一枚をしっかり撮影したいものですね。
前回に和服のポートレートについて数回に分けてお話ししましたが、伝統的な装いというカテゴリーでは同じことがいえます。
つまりは、背筋を伸ばした日本的な立ち居振る舞い、手先足先までの神経を使った仕草などです。さらに見返り美人がモデルのように、後からまたは斜めから振り返るポーズで撮るとグッと引き立って見えます。撮影する角度をよく見る必要があります。体全体を撮影するのではなく、いわば少し遠慮気味なアングルが適しているからです。
さらに浴衣の場合大切になってくるのは季節感をもりあげる背景です。
日本的、そして夏の風物詩としては、例えば背景が西洋の植物、近代的な建物ではギャップが生じます。モデルと背景が相乗効果を生むような日本的な植物、花、そしてちょっとした建築物も入れる場合には下町的な情景など「脇役」に注意することが大切です。
背景などの演出が難しい場合には、扇子や和傘、うちわといった小物で雰囲気を出すのもひとつでしょう。写真撮影機材