映像の肖像権 2

前回お話ししたように、「人」を撮影する場合には人権が関わってきます。
ただ、これは撮影する人の許可があれば問題は生じません。
ポートレート撮影ならばもちろん合意の上の撮影ですし、町中でよくある「ファッション・リポート」なる服の着こなし、ファッションなどの撮影でも、まず撮影ならびに取材の許可を得てはじめているものです。
神経質になりすぎると、撮影している場所の条件、環境なども気になり始めますが、基本的に許可を得ていることと、またどこで、何の目的で撮影するのかということが明確であることが必要です。
なぜならば肖像権は人権を保護する役割とともに、著名人で、その人の肖像に財産的価値がある場合その財産権も守る役割があるため、商業的な目的で使用する場合にはさらに注意を払う必要があるからです。

例えば有名人の写真を撮影し、無断で雑誌社に販売する、幼い子どもの写真を撮影し販売すると言った例は肖像権に触れる典型的な例でしょう。
欧米の場合、幼児愛の問題が取りざされ、それゆえに保護者が子どもを守る傾向が強いとも言えるかもしれません。
表現の自由と、人権というのは一つのコインの表と裏に似ているところがあります。
自由な表現方法と、個人の尊重。その二つをクリアしたものが商業写真、映像、さらに芸術作品になっているのでしょうね。

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映像の肖像権

写真でも動画でも撮影する対象、またはその中に人物が写る場合に発生するのが肖像権です。
一昔前ではあまり一般的に意識されなかった人権かもしれませんが、現在では写真からテレビ番組制作などに関係のあるカテゴリーです。
欧米では「プライバシー」「個人の尊重」の意識が強いため、日常生活の中でも感じられることが多々あります。
例えば、カフェやパブなどカジュアルな場所でも、店内を撮影するのは止められることがあります。自分自身や友達とのショットならば問題ないのですが、他のお客さんが入っている中店内の風景などの撮影は、許可なく写真や動画の中に入ってしまう人を避けるために禁止するという訳です。
また、子どもや未成年者に対する「守る」意識が非常に高く、保護者が近くにいない子どもなどを悪気がなく撮影したとしても注意されることがあります。
街角で「かわいらしい」と思ってシャッターを押すと、保護者が目を光らせている、wということもあります。
テレビインタビューなどでも、子どもが映り込むことがあれば、必ず保護者の許可をその場で取るという配慮もなされていますが、もちろんきちんと許可を取ればその場で快くお子さんの撮影許可をいただくことも多々あります。
「人を撮る」ということを改めて考えることも、写真の被写体に対してリスペクトの意識も高まるのではないでしょうか。

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