「ボケ」というと一般的にネガティブな捉え方をしますね。
しかしこのボケがとっても重要な役割をする写真の種類はたくさんあります。
ボケがあるだけで写真の印象ががらりと変わる!
それは、例えば一輪の花を撮影することを想像してみましょう。
写真の画面に映るのは被写体の花、そして背景です。
F値を絞り、つまり被写界深度を深くすると画面に映る全体に焦点が合って、全体がシャープに写ります。
一方、F値を開放気味にすると、花にピントが合い、背景はボケます。
同じ被写体、同じ構図、同じ照明と条件は全て同じ二枚を比べても、その違いは明らかす。
画面の中にボケが生じることによって、被写体がより鮮明に、嫌味のない強調が現れます。
写真内に明暗、コントラスト、色合いなどのバランスが生じるように、画面のピントが合っているものとボケているものの組み合わせによっても随分印象が変わってきます。
ピントが合っている部分があれば、ボケの部分も必要と言ってもいいかもしれません。
ただカタログ写真や商品写真には必要はないので、あくまでも写真の種類によりますが、
音楽の強弱、話し方の抑揚のように、写真内のピント、ボケのバランスをうまく取り入れて表現豊かな撮影を!写真照明のライトグラフィカ
月: 2013年8月
うまいボケは絞り次第
写真の出来上がりをチェックして、「納得のいく写真」と思えるのはピントの具合はもちろん、構図やタイミング、色合いなどいろいろ要素はありますが、意外にに背景のボケ具合によって決まったりもします。
主役の被写体ではなく、背景のボケによって決まるというのは何とも皮肉的ですが、脇役があってからこそ主役が引きだつというのは写真でも同じように言えるのかもしれません。
さて、だからこそ主役の被写体にピントを合わせるのと同様に、背景のボケを計算しながら撮影するのが大切になります。
うまいボケ、つまりキレイなボケは絞りであるF値で決まります。
F値が小さければ小さいほど絞りが開放になり、ピントを合わせた被写体の前後にあるモノはボケてきます。それと反対にF値を絞れば絞るほど、つまりF値の数字が大きくなればなるほど被写体の周りのすべてにピントが合うようになりなります。
このボケ具合は、使用するカメラのメーカーによって変わってきますし、撮影時のレンズによっても違いが出てきます。ひとつのカメラを使い込んでいくと、この「ボケ加減」と「絞り加減」が一致してきます。そうすることによって、違うカメラを使っても出来上がりを想像しながら撮影できるようになります。
一時期集中して同じカメラで撮影し続けるのも、ボケ撮影習得の近道かもしれません。
撮影機材のライトグラフィカ
カメラを撮る
オークション写真にもいろいろあると思いますが、今回はカメラを出品するというテーマで撮影ポイントを考えてみましょう。
写真で決まる。と言われているオークション写真は時には説明文よりも説得力があります。
商品を実際に手に取ってみることのできない参加者にとっては、「一見は百聞にしかず」の写真が大切ということだからですね。
出品物を正直に且つ美しく見せるのも写真撮影のテクニックにかかっているというわけです。
さてカメラのように小物の出品物はブツ撮りの中でも難しい分野。
アクセサリーのようにマクロで撮影というわけにはいかず、普通のコンパクトカメラやさらに標準一眼レンズで撮影すると、カメラの一部分が歪んで頭でっかちになってしまったりと、トラブルがでてきます。
カメラを撮影するときのポイントは、望遠レンズ、またはズームレンズの望遠側で撮影するということです。落札者にとって気になる細部まで大きく撮影でき、さらに望遠側で撮影することによって歪みが修整されます。
望遠レンズの特徴として、広角レンズや標準レンズに比べて被写体の歪みがないことと、背景がキレイにボケることがあげられます。これがカメラのような被写体を撮影する際にとても適切に効果が出てきます。
背景をボケさせて出品物のカメラを強調する、または、F値を絞り込んでカメラの隅々までピントが合うように撮影すると全体的にシャープに見えて、見栄えが良くなります。
どちらもお好みで。
このようにカメラのようなサイズで、歪みがないブツ撮りをする場合には望遠レンズ、望遠側での撮影が有効ですよ。
撮影機材のライトグラフィカ
たす撮影とひく撮影
今日、趣味のブログからプロブロガーまで、そして自社製品の社内撮影まで様々なシーンで、プロ並みの写真が外注ではなく個人、社内で写真撮影することが可能になっています。
そのキーワードはなんといっても「照明」です。
ただこの撮影に適切な照明を設置するために付随してくる様々な撮影機材というものがありますが、
実際に撮影する場所のスペースやコストなどを考慮しながら無限な組み合わせで撮影機材を選ぶことが可能になっている昨今です。
さて、撮影機材の準備はOK、でもいざ撮影してみるとなかなか思い通りにはいかない、、といったことありますよね。
もちろん経験値もものをいいますが、「適切さ」を見極めるセンスが大切になります。
というのは、必須な照明を撮影機材、照明機材によって補えるところを、時に「過度」に活用してしまうことがあるからです。
自然にそれでいて、機材がなくては決して撮影できないような美しい写真を撮るには、「適度な照明」が必要なのです。強すぎる照明は被写体のコントラストをあげすぎてしまったり、白飛び、さらにそれによって黒くつぶれてしまう部分が出てきてしまったりと、バランスの悪い写真になってしまいがちです。
被写体に対する照明は常に必要ですが、撮影した写真をモニターで見てみて「何か足りない」「いまひとつ」と感じるときには、「たす」のではなく「ひく」撮影をしてみましょう。つまり照明の調整です。
照明の明るさを下げる、直接照明を間接照明にしてみる、補助光を加えて全体を柔らかくしてみる、といった「たす」のではなく「ひく」照明。
?のと時には、ちょっとお試しください。
撮影機材のライトグラフィカ
モニターと紙媒体
パソコンや携帯、テレビなどのディスプレイ上で色の話になると、必ず出てくるのがRGB。
R=Red、G=Green、B=Blueの三色ですね。
これを「光の三原色」といいます。この三原色の無数な組み合わせによって目に見えている広を再現することができるのです。
そしてよく混乱しがちなもうひとつの三原色、YMC。
Y=Yellow、M=Magenta、C=Cyanです。
こちらも三原色ですが、YMCは「色の三原色」です。つまりRGBは「光の三原色」で、YMCは「色の三原色」で、似ているようで全く違います。
実際にRGBすべて合わせると白になりますが、YMCすべて合わせると黒になります。
この「三原色」の違い、使い分けはRGBがディスプレイ上で見る色で、YMCが紙媒体上で見る色ということです。
つまり写真撮影した際に実際にその写真を使用する媒体がコンピューター上で見るものか、写真を印刷するかという違いで使い分けます。
光の三原色は混ぜると明るくなって、色の三原色は混ぜると暗くなるって、これもまた色の不思議ですね。
写真照明のライトグラフィカ
トリミング
写真におけるトリミング(trimming)とは、重要な部分を強調するために、写真の画面の一部分だけ切り出すこと、または余分な部分を削除することをいいます。
つまり撮影後にその写真を編集、加工、手を加えるということですね。
タイミングや撮影場所などの関係で、いろいろ写ってしまったけれど、「本当はこの部分を撮影したかった」という一部分だけ大きくする、つまりその部分だけを切り取るという手法で、被写体をレンズでズームアップした感じと似ているかもしれません。
さてこのトリミングによって、入らない部分を削除するのですから、強調したい部分がそのまま大きく写り、撮影者の意図が伝わりやすくなります。また切り取る部分は自由なので、縦位置で撮った写真を横位置にしたりと表現方法の選択幅が広がります。
ちょっと失敗したかな、という写真でも不要な部分を切り取ってしまえば、キレイな一枚になることもあります。
そんな利点ばかりに思えるトリミングも撮影者によって意見が分かれます。
トリミングするということは元あった写真を切りとり、それを引き延ばすことになるため、画質の劣化があることや、撮影したそのものを編集する、加工すること自体への抵抗があるためです。
実際にフィルムカメラでの撮影ではプリントする際に、ネガの縁を入れこんで、「トリミングしてません」と主張するプリントテクニックもあるほど。
トリミングする、トリミングしない、そのどちらのこだわりもうまく活用して表現方法に加えていきたいですね。
撮影機材のライトグラフィカ
ホットシューの役割
カメラの外付けフラッシュなどを取り付ける接点部、その仕組みをアクセサリーシューといいます。そして電気的な接点があるものをホットシュー(hot shoe)といいます。
カメラの上部に直接外部フラッシュを装着できるように金属部分があるのがそれです。
通常金属部分の保護のためカメラボディーと同じマテリアルでできたカバーにおおわれて、スライドすると取り外しができるようになっています。
フィルムカメラや一眼レフカメラに通常付いていますが、コンパクトカメラにも取り付けてあるモデルもあります。カメラ内蔵のフラッシュとは違うポテンシャルの外部フラッシュを使用することができ、さらにシャッターのタイミングに連動して発光するフラッシュだけでなく持ち運び型のLED照明なども取り付けられることができ、撮影の幅が広がります。
ホットシューが装備されていないカメラには、ホットシューそのものを外付けして外部フラッシュを取り付けることもできますが、もちろんはじめから装備があればフラッシュの装着も簡単。
コンパクトカメラでこだわり撮影など、ホットシューを利用する可能性があれば、ここにポイントを置いてカメラ選びをしてみてはいかがでしょうか。
写真照明のライトグラフィカ
ケースだけどそれだけじゃない
日常の写真撮影はほとんどスマートフォン。という方は少なくないはず。
シャッターチャンスを逃さないようにするには、カメラを常に持ち歩くという基本的なセオリーにかなってますよね。なんといっても「携帯電話」は常に持ち歩き、スマートフォンはそれに付随してあらゆる機能がついてくるのですから。
常に携帯しているスマートフォンだからこそ、アクセサリーへのこだわり派も多いでしょう。外見のみならず機能的にも満足するようなスマートフォンのアクセサリーを見かけます。
そのうちのひとつに、なんと三脚メーカーのマンフロットからiPhone用のケースが製品として発売されています。実はこれ、ケースという名の撮影機材でもあるのです。
なぜならば、ホットシューつきのアダプタークリップが付属されていて、カバーそのものが三脚へ装備でき、外付けのフラッシュが装着できる仕組みになっているのです。
スマートフォンで本格的に写真撮影したい方には非常に好都合なアテムです。
普段は普通のケースですが、フェルト裏ばりのハードケースできちんと保護し、いざとなればそのまま三脚に簡単に装着できるので、普通に使いながらもすでに撮影にスタンバイ状態です!
スマートフォンの撮影機能が向上しているからこそこういった本格的撮影アイテムがでてくるのでしょう。これからも身近でしかも機能的なアイテムに注目です。
写真照明のライトグラフィカ
文字はなし?
ストリートスナップや屋外でのポートレートなど、ロケつまりスタジオではない屋外での撮影ではちょっと気をつけたいことがあります。それは看板やシンボル、マークといった表示を入れないこと。
意図や宣伝効果として故意的に入れるのは別にして、一般的に文字や標識といったものは意味合いが強すぎるため、写真内に入るとそれに視線が引っ張られてしまうからです。
パソコンのソフトウエアやSNSやインターネット上のサービスなどにシンボルとなるアイコンがありますね、マークを見て一目で何か分かるというもの。このアイコンがいい例で、目を引くことと意味を持つマークは写真の構図内に入れてしまうと、意図していない捉え方をされてしまうこともあります。
例えばモデルをロケ撮影するとしましょう。街には標識から文字、看板、シンボルであふれています。それらを写真内に入らないようにすると、思っている構図にならないこともあるでしょう。そんなときにはF値を調整して、開放気味にしながら周辺にある文字や看板などをうまくぼかしてみてはいかがでしょうか。
同じ場所でも角度を変えたり、アングルを変えることによって、画面内に文字、標識などが入るのを避けることもできます。
ロケ撮影で同じ場所で文字やマークなどがたくさん入り込んでいる写真と、そうでない写真を比べてみるとその違いがよくわかります。
写真のコンセプトをふまえながら、こんなこともコントロールしながら撮影に臨みたいですね。
写真用品のライトグラフィカ
『逆光に負けるな』
写真を撮っていて、「逆光だから、こっちから撮ろう。」なんていうセリフ、よく耳
にします。
確かに逆光だと影になったりと暗い写真になりがちなので、避けた方がいいと思われ
てしまうこともありますが、実は逆光はとても綺麗な写真が撮れる光で、プロの現場
では逆光をうまく取り入れています。
特に料理写真なんかは料理のツヤが出やすいと言われていて、順光よりも美味しそう
に撮れるとまで言われているんですね。
また、逆光でも露出補正をすると明るくなりますので、暗い写真の場合であれば、補
正は大胆にプラスしても大丈夫なんですね。
順光と逆光は同じ写真を比べた場合、コントラストが強調される順光に比べ逆光のほ
うがむしろ「光」の存在を感じられます。
当たり前ですが光がなければ写真は撮れません。
ただ、光が当たっている場所と当たっていない場所で見え方は異なり、光の当たる方
向によって被写体の印象を変えるという単純な違いではありますが、このことを意識
するだけで写真の技術は上がる気がします。
太陽をコントロールすることはモチロン不可能なのですが、光を利用してコントロー
ルすることは可能なので、光をよ~く観察する習慣を身につけたいですね。