またの名を「想定線」という、映像撮影の際の用語で、映像を見る側に立った編集の規則を言います。
例を挙げてみてみましょう。
動く被写体、例えば走っている電車を撮影するとしましょう。
線路を挟んで両方から電車を撮影するとします、するとビデオAでは、電車が右方向に向けて走ります、そしてビデオBでは電車が左方向に向けては知っていきます。
同じ電車を同時期に両端から撮影しているのですから当然ですよね。
しかし、この撮影した映像カットを混ぜて編集すると、ワンシーンは右方向に進み、もうワンシーンは左方向に進むという、見ている人に被写体の理解と時間軸の混乱を招いてしまいます。
これを回避するために想定するのが、イマジナリーライン(想定線)というのです。
上記の場合、電車の車両上がまさにイマジナリーラインになり、電車内を挟んで撮影すること自体がイマジナリーラインを超えてしまうことになります。
これと同じように対談風景の撮影にもイマジナリーラインを設定する必要があります。
対面、または並んだ対の人物に対して、二人を結ぶラインがイマジナリーラインになります。
つまり、人物Aと人物Bをそれぞれ、左側、右側に観ながら撮影するばあいは、逆の方向でAが右、Bが左に見える方向から撮影しないということです。
一見複雑そうな原則ですが、実際に撮影してみるとよくわかります。
また私たちは実際に、実生活の中でもしばしばこのイマジナリーラインに即した映像を見ています。
それは例えば、サッカーの試合映像。放映されている映像は、上から撮影しているメインカメラや、ゴール近くのカメラなどいくつものカメラで構成されています。それぞれの位置、方角を吟味そしてイマジナリーラインを設定し、映像がつながれて放映されているのです。
片隅に覚えておくと、ビデオ撮影の際に役に立つかもしれません。