オンライン社会の恩恵で、毎年年賀状作りの選択肢が幅広く増えています。
SNSに特化した年賀状作りなどもあります。
例えば、インスタグラムで作る年賀状。写真を決めていけばばつくれる簡単テンプレートなども何種類もあります。
一点の写真をシンプルに年賀状全面に使うバージョンや、写真をコマ割りでモザイクのように並べるバージョン。その組み合わせはまるでホームページを作るときのようにカスタマイズできて、面倒な年賀状準備の時間もなんだか楽しくなりそうなほどです。
大きくインパクトのある写真を一点使いたい場合や、たくさんの好きな写真を並べたい場合も、そしてビジネス用の年賀状、プライベートな友人、家族への年賀状などといった送り先によって変えて作っても楽しそうです。
デジタル化した社会だからこそ、紙媒体の年賀状は手にとるだけに嬉しいものです。
写真やデザインの選択が多いように、紙質の選択も多いようです。
手にとった質感で伝わるものもあるでしょう。やはりそこがメールとの違いですよね。
さて、まだ間に合いそうですよ、年賀状作り。2016年ももうすぐです。
月: 2019年12月
ハイブランドと日本の普通の風景
1968年にドイツで立ちあがり、まもなく国際的なハイブランドに発展したジル・サンダー。
ミニマルでシンプルなデザイン、何よりも素材のよさで日本でも根強い人気があるブランドです。
ハイブランドと広告は切っても切れない関係ですが、2019年春夏用に撮影された写真がかっこよくて是非見ていただきたい。
撮影地は日本。
ハイブランドと近代的風景のある東京か?とおもいきや、日本の何気ない風景のなかにジル・サンダーの服を纏ったモデルとともに撮影された写真です。
JIL SANDERのHPでも、そしてインスタグラムでも見ることができます。
撮影者はジル・サンダーの撮影に度々登場するマリオ・ソレンティ。
撮影は島根県松江市。HPには約2分半のショートムービーもみることができます。
さて、松江市の何気ない風景、電線や網戸のある窓、瓦屋根、日本家屋、温泉と、これらのシーンがシンプルなジル・サンダーの服をを着たモデルと相まってなんとかっこいい写真になっているでしょう。
まさに相乗効果。
いや、モデルがいない普通の町角の風景だけでもかっこいい。
マリオ・ソレンティの構図や切り取り方もさることながら、この撮影コーディネーター、スタッフも素晴らしいですよね。
ファッションフォトを見るときに、好きなモデル、好きなフォトグラファー、好きなブランドだから、といういろいろな見方がありますが、一目で惹かれる写真が好きなフォトグラファーのものだったってこともよくありますよね。
商業写真であるファッションフォトはマンネリ化と言われたりもしますが、モデル、フォトグラファー、ブランド、そして撮影方法、撮影地によって組み合わせが自由。
だからこそファッションフォトである広告写真って面白いんですよねえ。
『ぎゅうぎゅう』
まずはこちらをご覧ください。
http://carsandbodiesproject.tumblr.com
これは、3人のフランス人アーティストによる「Cars and Bodies」という作品で、十数人もの人間を自動車に詰め込んで、そこで起こるカオスを写真に収めたものです。
ぎゅうぎゅうに車に詰め込まれた人間たち。
Photoshopで加工していると思いがちですが、この写真には手が加えられておらず、「Shen Hao 4×5」という古いカメラで撮影されているそうです。
なんとなくノスタルジックな雰囲気に出ていますね。
120人ほどの人がこの企画に参加し、夏の暑さに耐えながらまるでバッグの中のバゲットのように車へ詰め込まれたそうです。
窮屈なすし詰めを完璧につくり上げるために、腕や足を曲げたりねじったりして、すべての人を適切な場所に配置するのに数時間かかる場合もあり、なんとも大変な撮影だったようです。
写真はロサンゼルスのさまざまな場所で撮影されており、地域の特徴をよくとらえています。
ビバリーヒルズではガードマンがぎゅうぎゅうに、ベニスビーチではバスケット選手がぎゅうぎゅうにされています。
つまり、全体を通して、これらの写真はそれぞれの街がどう異なっているかを学ぶ社会学のような役割を果たしているのです。
馬鹿げた企画のようで、ちゃんとした社会的な作品だったのですね。
読んで、カメラを持って、散策
最近こんな漫画を知りました。
「東京シャッターガール」。2012年出版の漫画で映画化もされたということで前から知ってるよという方も多いかもしれません。
内容は、写真部に所属する女子高生、夢路歩(ゆめじあゆみ)がフィルム式のレンジファインダーカメラを携えて、
東京の街や名所を訪ねて写真を撮り、そこで出会った人や街の様子を描くというもの。
目次には東京都の地図と主人公が訪れた場所が記されていて、一話ごとの最後にはあとがきとして著者が取材したときの様子や、
待ち歩きマップなどが収録されています。
短いストーリーですが情景描写も丁寧で、一話終えてあとがきを読むたびに実際に自分の足でも歩いてみたくなります。
普段の生活をしていると広い東京の中で限られた場所との往復だったり、知識や映像などでは知っているけれど
実際に訪れたことがない場所がたくさんあることに改めて気づきます。
カメラを携えながら街歩きをしたり、ストリートフォト撮影のために常にカメラを持ち歩いたりというのは
写真の学校に通ったことがある人ならば懐かしいことかもしれません。
普段からカメラを携行して出かける方も、そうでない方も、暖かくなった季節とともにカメラを持って東京散策はいかがですか。
文章も魅せる
今やタレントや俳優、女優がブログ発信するのは日常のこととなりました。
テレビや映画の中で見られる好きな特定の人のブログがあれば、ちょっと近づけたようで嬉しいものですよね。
そのひとつとして小島聖さんのブログはなかなか読みがい(見がい)があります。
写真がお好きなのか、写真の展覧会へ出かけた記述や写真集の感想から、登山や旅についての投稿が写真とともにあり、そこにはしっかりとした意見があったり、ブログ然としての日記調のような記録としての記述もあります。まさに彼女の生活の一部を覗ける、共有できるブログです。
誰もが持てるブログサイトゆえにスナップショットやワンフレーズのコメント、インスタグラムとの提携した写真の投稿だったり、番組や出演するCMや映画の番宣の代用だったりして、結局はその本人のプライベートの顔や普段考えていることを見ることができるものではないブログも多々あります。
だからこそ、小島さんのようなブログを見つけると、読むのが楽しくなります。
そう、演技力だけでなく文章も魅せるんですよね。ANAの機内誌「翼の王国」にも寄稿されたりと、小島さんの文章が求められている証拠です。
そんなにも頻繁に更新されるわけでもありませんし、毎回の投稿で多くのことを語るわけでもありませんが、投稿された展覧会や内容が自分の興味と一致していたりするとほんのりと嬉しいものですよね。
フォトコラージュの世界
コラージュとは「貼り付ける」を意味し、印刷された写真を二つ以上切り抜き張り合わせた組み合わせをフォトコラージュと言います。
伝統的な形式に反抗して1910年代にヨーロッパを中心に起こった芸術思想、芸術運動のダダイズムを掲げたダダイストが発展させて流行った技法で、異質なイメージは視覚的に効果があり、政治宣伝や社会風刺に効果のあるものでした。
組み合わせの自由、既存するものから放たれる斬新さは、現在CGが存在している私たちの環境とは大きく異なるでしょう。
1950年の日本で「コラージュ」技法に出会いのちに才能を開花させたコラージュ作家がいます。
現在東京都庭園美術館で開催されている個展「沈黙の奇蹟 フォトコラージュ」の岡上淑子(おかのうえ としこ)さんです。
もともと洋裁を学んでいたという岡上さんが1950年に当時御茶ノ水にあった文化学院デザイン科に進学しコラージュを知り、1956年にかけておよそ7年間フォトコラージュ作品を生み出しました。その才能を見出され作品が世に出て現在では国内外でコレクションされ、今回の東京における公立美術館初の個展では海外で最もコレクション数を有するヒューストン美術館から12点のコラージュ作品も展示されています。
60年以上前の作品とは思えないほどファッション性もあり、シニカルかつ優美なフォトコラージュ作品を一堂にして観ることができる絶好の機会です。
フォトコラージュ、写真学校によっては授業でもあるんですよね。
簡単そうで、いやいやそれがそれが!
まさに本来のセンスが問われるような芸術分野です。
フォトコラージュの展覧会を観て触発されつつ試してみるいい機会でもあります。
雑誌数冊とハサミがあればフォトコラージュを楽しめます。
会期は4月7日まで。お子さんと一緒に鑑賞して、そのあと一緒にフォトコラージュをするという楽しみ方もありますね。
不可視と考えられてきたものを見ることに成功した
「不可視と考えられてきたものを見ることに成功した」
そう語ったのは、人類至上初ブラックホールの画像撮影に成功した巨大プロジェクトのディレクターであるシェパード・ドールマン教授の言葉。
巨大プロジェクトは「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」というもので、世界6ヶ所、8つの望遠鏡をつないで一斉に観測を行うことで地球規模の巨大望遠鏡を実現してブラックホールという、これまで学者、識者間で語られてきたものを初めて画像として目にすることができたものです。
地球から5500万光年という想像が及ばない距離にあるブラックホールの観測は5000兆バイトに及ぶデータを収集、それを科学者たちがデータ分析し、2年の歳月をかけて、私たちが目にすることができることとなりました。
発表されたのが4月10日、想像が及ばない大きさの物事ということも相まって時間が経てば経つほど、その偉業を少しづつ理解できているところです。
現在ツイッターなどではシェパード・ドールマン教授が籍を置くハーヴァード・スミスソニアン天体物理学センターのプロジェクトの様子がアップされ、観測データの膨大さや、ハーヴァード・スミソニアン天体物理学センターのHPでは教授とともにプロジェクトを進めていたスタッフの人たちとのやりとりのビデオなどを見ることができます。
知れば知るほど驚くことになるのですが、まずはブラックホールの大きさです。
ブラックホールの直径は約400億キロメートル、、、私たちの太陽系全体よりも大きなブラックホールということになります。しかも重力が太陽の65億倍。65億倍??
あらゆる全ての物質を吸い込む力があるブラックホールは光すら吸い込むということです。
天文学数字についていけなそうになりますが、ともかく、100年前にはつまりアインシュタインが一般相対性理論に基づいて存在を唱えた頃には、まさかその画像を目にすることができるなんて誰も考えにも及ばなかったことが、今日実現し「発見」されたことになります。
今日の技術の凄さもひしひしと少しづつ理解できるところですが、アインシュタインのずば抜けた才能に言葉を失う、そんなニュースです。
『自撮りしている人を撮る人』
香港、アヴェニュー・オブ・スターズは自撮りの「メッカ」です。
誰もが風景には目もくれずあちこちで自撮りを続けています。
そして自撮りしている人たちを撮影した作品シリーズ「The SelfPromenade」では、自撮りをする人々がいかに奇妙で滑稽に見えるかという皮肉が表現されています。
アヴェニュー・オブ・スターズとは香港の海岸沿いにある遊歩道で、ここには香港の有名な映画スターの像がずらりと並んでいます。
観光客にとても人気のスポットで、人々はここぞとばかりにブルース・リーやアニメ映画でおなじみの子豚マクドゥルといったスターたちと一緒に写真を撮っている光景が見られます。
アーティストのナヴィン・カラと写真家のルイサ・ドールは、ここで写真を撮っている人の姿を撮影し始め、人の多すぎる週末を避けながら、3週間かけて撮影は行われました。
2人はこのプロジェクトを「The Self Promenade」と名付け、現代文化の人類学な研究として位置付けています。
作品のなかの写真には“完璧”な1枚を撮るために、体を捻じ曲げたりしながらでも写真を撮る人たちがとらえられています。
また、多くの人がその最高の瞬間をとらえるために長い距離を歩いているのですが、周囲の光景にはさほど目もくれないそうです。
まるで自撮りのために風景が存在しているかのように。
人々の世界観がいかにスマホによって日常的に歪められているかを描き出す、シニカルな作品に仕上がっています。
『夢を操るアイマスク!?』
「これは夢だな」って夢の中で思ったことありませんか。
それは「明晰夢」というそうで、明晰夢を見たことがある人はしばしば、夢のストー
リーを自由自在にコントロールできるといいます。
つまりは夢だという自覚があるので、その内容を自分の思い通りに変えられるという
わけです。
とはいえ、なかなか明晰夢に出会うことは出来ませんよね。
明晰夢を見て夢の中でやりたい放題したいという、「ドラえもん」のような願望を手
助けする、まさに夢のようなアイマスクが開発されました。
製品名は「Remee」。
クラウドファウンディングで多くの支援を集め、現在は製品化されています。
さてそのメカニズムですが、人間の眠りの周期にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、
それが交互に現れることはもはや周知の通りだと思います。
ノンレム睡眠時は深い眠りで、脳が休止状態。
一方レム睡眠時は浅い眠りで、体は休んでいても脳は活発に動いているそうです。
夢を見るときは、ほとんどがレム睡眠時だと言われています。
「Remee」の内側には、小さなLEDライトが付いており、夢を見るとされるレム睡眠
時、夢を見ている人を起こさない程度の光を発して刺激を与え、夢を見ていることを
自覚させるとのこと。
光るタイミングや明るさなどは調節可能だそうで、自分でレム睡眠の頃を狙って設定
する必要があります。
ふーん・・・って、それだけで夢を操ることが可能なのか!?と思いますよね。。。
実際のところ・・・、500万円もの支援を集めて、2013年に95ドルで発売されていま
すが、いくら調べても「夢を操れた!」という声はでてきませんでした。。。
論理的には間違っていないみたいですが、現実はおろか夢さえも、そんなにうまくい
かないものですね。。。
『照明のちらつき』
照明のちらつき、気になりますよね。
ジッと見ていると目がすごく疲れるので、健康的にも良くなさそうな気がします。
しかし、この「照明のちらつき」が商業空間にとって画期的な効果を及ぼすのではないかと期待されているのです。
今やネット通販が当たり前の時代で、リアルな店舗はネットで買う際の言わば確認のためのショールーム的な存在になりかけています。
ですが、商品を手に取って買える喜びはリアル店舗のみの強みです。
さらに欲しいものを簡単に見つけられれば、ネット通販にはない利便性、娯楽性につながります。
日本では家電メーカーとして知られるオランダのフィリップス社が開発したのが、人間の眼に見えない光の明滅を利用した屋内ナヴィゲーションの技術です。
それは「インドア ポジショニング システム」(IPS)と呼ばれ、照明の光を高速で明滅させてデータを送る技術を応用したものです。
人間の目には見えないLED照明の明滅をスマートフォンのカメラで認識させ、数十センチの精度で位置と方位を認識させます。
これをスマホの地図アプリと連動させれば、屋内ナビとして使えます。
例えばスーパーでは、このように使えるそうです。
まず、客が店内でスマホを取り出し、専用アプリを立ち上げます。
すると、スマホのカメラが天井のLED照明の明滅を認識、スマホ画面には店内のマップが表示され、目的の商品を検索すると、画面上のマップに棚までのルートが示されます。
このとき、照明のちらつきはごくわずかで、人の目には感じられないほどだそうです。
また、目的の商品の価格や他にオススメの商品なども表示させれば購買意欲の向上につながります。
さらに、店内での客の動きや、探した商品などの履歴を店舗側が分析すれば、マーケティングにも役立ちます。
ネット通販を前に苦戦しているリアル店舗が収益性を高め、売り場を活性化させる有力な手段になる可能性を秘めているというわけですね。